開業110年を迎える山陰のローカル線「木次線」で春さんぽ

満開の桜の中を走る(出雲横田駅付近)
1916年に木次(きすき)―宍道(しんじ)駅間が簸上(ひかみ)鉄道として開業した木次線。スイッチバックや趣のある駅舎など鉄道の魅力が満載だ。沿線はヤマタノオロチ神話の舞台であり、日本刀の原料「玉鋼(たまはがね)」を造る日本古来の製鉄方法「たたら製鉄」が伝わる地。簸上鉄道を創業した絲原(いとはら)家は、たたら製鉄を経営した鉄師御三家の一つである。
神話と鉄づくりのふるさとへ。名物グルメもあわせて、ローカル線の旅を楽しもう。
🚊木次駅
奥出雲葡萄園
雲南市の豊かな自然に囲まれたワイナリー。山ブドウの交配種「小公子」や「シャルドネ」をメーンに使い、丁寧なワイン造りで定評がある。芝生が広がる庭カフェでは、ワインのほかピザやパンケーキなどが味わえる。
■10時~17時(庭カフェは~16時30分)/火曜(祝日の場合は翌日)休/TEL0854-42-3480/タクシー10分
🚊亀嵩駅
扇屋そば
映画「砂の器」の舞台としても知られる亀嵩(かめだけ)駅舎内にある。1973年創業。国産そば粉を石臼で挽き奥出雲町の天然水で仕上げたそばが評判。そば弁当や土産用のそばも販売。
■10時~15時/祝日を除く火曜休/TEL0854-57-0034/駅直結
🚊出雲横田駅
社殿造りの出雲横田駅の駅舎は、1934年の開業当時のまま
奥出雲たたらと刀剣館
日本遺産に認定された「出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~」のガイドセンターとして、奥出雲町のたたら製鉄の歴史を紹介。第2日曜・第4土曜には刀匠による日本刀鍛錬の実演もある。
■9時30分~16時30分/火曜休、年末年始休/530円(鍛錬見学は1270円)/TEL0854-52-2770/徒歩15分
ファン必見!鉄道スポット
鉄道ファンを引き付ける3段式スイッチバック(出雲坂根-三井野原駅間)。進行方向が2回入れ替わる
刻々と変化する車窓の風景も楽しみ。写真は、日本最大規模の二重ループ道路「おろちループ」に架かるアーチ橋の三井野大橋(写真提供/JR西日本)
🚊三井野原駅
道の駅奥出雲おろちループ
「おろちループ」の頂上付近にある。展望台からは三井野(みいの)大橋と木次線の眺望が広がる。鉄のふるさとにちなみ食用鉄粉を用いた「鉄粉入りたたらソフト」がおすすめ。
■10時~16時(軽食コーナー10時30分~15時)※4月~11月は9時~17時(軽食コーナー10時~15時30分)/水曜休、年末年始休/TEL0854-52-3111/徒歩15分
観光列車「あめつち」で木次線を旅しよう!
山陰ならではの「古くて新しい日本」を発見できる観光列車。米子―出雲横田駅間の運行は、3月~9月で31日間を予定。奥出雲葡萄園のワイン寿司や沿線の伝統食が味わえる食事の提供も。内装は山陰の天然木や伝統工芸品をあしらい高級感ある造り。外観の帯模様は、たたら製鉄にちなみ日本刀の刃文を表現。
■運行日はJR西日本サイト「JRおでかけネット」で。
木次線の沿線情報、イベント情報などは
木次線利活用推進協議会ホームページで👉「こちら」
協力:木次線利活用推進協議会
※記載内容はすべて掲載時のデータです。
(出典:「旅行読売」2025年4月号)
(Web掲載:2025年3月10日)