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【青春18きっぷでできること】木次線でトロッコ列車に乗る(1)

場所
> 雲南市、奥出雲町など
【青春18きっぷでできること】木次線でトロッコ列車に乗る(1)

出雲坂根駅でスイッチバックの準備をする奥出雲おろち号

 

ラストイヤーの観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」で秘境へ

神話の舞台である奥出雲の深山を、ダイナミックな3段式スイッチバックで越える木次(きすき)線。西日本随一のローカル線として鉄道ファンの間で有名で、週末や観光シーズンには、トロッコ型の観光列車「奥出雲おろち号」が走る。しかし、1998年から運行して人気を集めてきたこの列車も車両の老朽化が進み、今年11月で引退となる予定だという。ラストシーズンの奥出雲おろち号と山陰地方の絶景、名物の3段式スイッチバックに沿線駅のグルメと、盛りだくさんな旅に出た。

トロッコ車両からは美しい奥出雲の風景が見渡せる

旅のスタートは早朝の大阪駅。5時55分発の福知山線で約2時間半の乗車となるので、車内でとるための朝食を忘れずに用意しておこう。福知山駅から山陰線に乗り継ぎ、豊岡駅で浜坂行きに乗車。ここから先の山陰線は、国鉄型ディーゼルカーのキハ40系が主役。懐かしいボックスシートに身を委ねれば、旅の気分も自然と盛り上がるだろう。

日本海が見渡せる余部橋梁

竹野駅を過ぎると、右手の車窓に日本海が姿を現し、しばらく険しい海岸線と青い海の共演を楽しめる。ハイライトは餘部(あまるべ) 駅到着直前の余部橋梁(あまるべきょうりょう)で、まるで空中から海を眺めるような絶景が広がる。餘部駅で途中下車して、この余部橋梁をじっくりと楽しんでみる。ちょうど昼時なので、次の列車が来るまでのんびりとランチタイムを過ごしたい。

餘部駅を後にして海を眺めながら西進。鳥取駅で乗り継いで、夕方、1日目の終着の米子駅に到着。ここで夜食用に米子の名物駅弁、米吾(こめご) の吾左衛門鮓(ござえもんずし)を購入しておこう。

文・写真/伊藤岳志

【青春18きっぷでできること】木次線でトロッコ列車に乗る(2)へ続く

 

マスコットキャラクター「おろっち」をあしらったヘッドマーク

奥出雲おろち号

運行区間は木次-備後落合駅間(備後落合行き下りのみ出雲市発の運転日あり)。青春18きっぷで乗れるが、座席指定券530円が必要。全国のみどりの窓口で乗車の1か月前から座席指定券の購入が可能。3段式スイッチバックやループ橋で景色がよいのは、下りが進行方向右側、上りが同左側。詳細はJRおでかけネット( https://www.jr-odekake.net/)。

 

橋の真下にあるのが道の駅あまるべ

道の駅あまるべ

高さ40メートルの「空の駅」から日本海を一望1912年に完成した壮大で美しい鋼製トレッスル橋だったが、2010年に現在のコンクリート橋に架け替えられた。高さ約40メートルの橋梁上部に餘部駅があり、展望施設「空の駅」に直結している。旧トレッスル橋とレールの一部が残され、自由に歩ける遊歩道となっている。余部クリスタルタワーのエレベーターで地上に降りると、道の駅あまるべがある。余部橋梁の歴史を解説するコーナーのほか、地元の海の幸を使った食事処や売店も。

■9時〜18時/無休/TEL:0796-20-3617

 

米子駅でも買える米吾の鯖鮓

米吾 吾左衛門鮓

吾左衛門鮓のおすすめはサバ。脂の乗ったサバの押しずしを黒昆布で巻いた山陰の郷土食で、5個入り1200円( 塩、しょうゆ付き)。かに寿司や吾左衛門弁当も人気だ。米子駅構内の「おみやげ楽市」米子店でも販売しており、確実に入手するには前日の10時30分までに予約しよう。

■予約・問い合わせ:TEL:0859-31-6630(7時~19時30分、無休)

※掲載時のデータです。

 

(出典:「旅行読売」2023年7月号)

(Web掲載:2023年6月27日)

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Writer

伊藤岳志 さん

1969年、神奈川県生まれ。鉄道、車、バスなどさまざまな乗り物の撮影を手がける。著書に「さらば栄光のブルートレイン」(洋泉社)など

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