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【はじめてのひとり旅の宿】HOTEL WOOD 高山 < 岐阜・高山市 > まちなかホテルで自由自在

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 岐阜県
> 高山市
【はじめてのひとり旅の宿】HOTEL WOOD 高山 < 岐阜・高山市 > まちなかホテルで自由自在

飛騨家具が置かれ、くつろげる客室。濃紺の作務衣タイプの館内着が人気で、購入する宿泊客も多い

町家の趣と匠の技を感じる城下町のデザイナーズホテル

城下町の風情が残る飛騨高山は、ひとり旅の旅先としても人気の町。その歴史や風土を肌で感じたいと最初に訪れたのは、JR高山駅から歩いて10分ほどの高山陣屋。江戸時代に代官・郡代が執務を行い、唯一、現存する陣屋だそう。その豪壮な造りに時代の息づかいを感じた。

宮川に架かる中橋を渡り、江戸から明治にかけて建てられた町家が多く残る「古い町並(まちなみ)」へ。公開されている町家で飛騨の匠(たくみ)の技に触れたり、古民家のカフェで休んだりするうち、瞬く間に時間が過ぎていく。

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高山の上町、下町の三筋は「古い町並」と呼ばれる。国の重要伝統的建造物群保存地区

宿泊はひとり旅応援プランのあるHOTEL WOOD 高山。「古い町並から最も近いホテルです」と支配人の長江明久さん。木をふんだんに使ったデザイナーズホテルで、木の格子(こうし)がはめ込まれ、外からは窓のない建物のように見えるが、館内からは外が見える町家特有の造りが特徴的だ。

高山は家具の名産地として知られ、ラウンジには高山の家具メーカーのイスやテーブルが置かれている。17時〜23時には地酒や生ビール、ソフトドリンクの無料サービスも。L字型の机は6人ほど相席できるので、他の宿泊客や海外からの観光客と交流するのも楽しい。

高山7蔵の地酒を飲み比べできるセットもあり、うち6軒はホテルの近くなのだそう。「酒造りが行われている今の時期(3月まで)は、徒歩3分の平田酒造場で酒蔵の見学と利き酒ができるナイトツアーもありますよ」と長江さんが教えてくれた。

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飛騨の町家造りに見られる、天井の格子も特徴的なラウンジ

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ラウンジでは地酒の利き酒セットを試し、気に入ったお酒があれば追加注文もできる

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ホテルは「ZEN(禅)=リラックス×カルチャー」をコンセプトに、2019年8月オープン

夕食は徒歩10分ほどの「高山まちなか屋台村 でこなる横丁」へ。飛騨牛や飛騨ラーメンなど地元の味とともに、店主や隣り合った人と会話が弾む。帰途、ライトアップされた中橋へ行くと、幻想的な風景に魅了された。昼間とは違った古い町並の静寂な佇(たたず)まいを堪能できて、このホテルに宿泊してよかったと実感した。

元々はツインルームだったという部屋はゆったりした広さ。「無駄なものをなくし、シンプルな空間の中に物事の本質を感じ取れる造り」を目指したという。室内にテレビはなく、いつもより時間がゆっくり流れていくのを感じる。

朝は飛騨産コシヒカリや郷土料理の朝食を。高山陣屋前朝市で地元の人とふれ合い、漬物や餅などを土産にするのも良いだろう。最後に飛騨高山まちの体験交流館で、映画「君の名は。」に登場した組紐(くみひも)作りを体験し、大満足で旅を終えた。

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朝食はあげづけ、こも豆腐、飛騨牛しぐれ煮など、ほっとする郷土の味が並ぶ

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飛騨高山まちの体験交流館では「組紐づくり体験」(所要20分、2500円)ができる

🥩高山まちなか屋台村 でこなる横丁

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2015年にオープンした屋台村。飛騨牛の希少部位などをコースで提供する割烹(かっぽう)料理店をはじめ、焼肉店、餃子専門店、地酒バー、イタリア料理店など、現在19店が営業。1軒目で夕食をとり、2軒目で昔懐かしい射的に挑戦、3軒目でちょい飲みや高山ラーメンで締めるのがおすすめ。
■営業時間・休業日は店舗によって異なる/高山線高山駅から徒歩10分/TEL:0577-35-0005

文/堀内志保


HOTEL WOOD 高山
TEL:0577-62-8888
住所:高山市上二之町80-2

ひとり泊データ
条件:通年可
客室:トイレ付きシングル22平方メートル(全70室)
食事:朝食=ラウンジ
<料金(税込)>
素泊まり 平日1万1500円〜/休前日1万3500円〜
1泊朝食 平日1万3000円〜/休前日1万5000円〜
1泊2食 なし
交通: 高山線高山駅から徒歩12分/東海北陸道高山ICから5キロ

※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2025年3月号)
(Web掲載:2025年11月28日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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