【お得きっぷで鉄道旅】青春18きっぷの賢い使い方
2026年現在の青春18きっぷ
格安鉄道旅の定番きっぷとして、国鉄時代からのロングセラーを誇る青春18きっぷ。2024年11月に利用法が大きく改正された後も一定の支持を得ており、26年はすでに春~冬季の3シーズンの発売が発表されている。有効な利用法やどこまで乗れば得になるのかなどを解説しよう。

価格・利用期間は?
今年2月に発表された青春18きっぷの概要によると、25年からの変更は見られなかった。3日間用と5日間用があり、購入時に利用開始日を指定し、連続する3日間(または5日間)で利用できる。1枚のきっぷを複数人で使うことはできない。日付印は不要で、自動改札機が利用できる。指定した利用期間の最終日は、日付が変わっても終電まで有効だ。
発売箇所は、JRのみどりの窓口、主な駅の指定席券売機など。発売期間中なら売り切れる心配はない。
乗れる列車・船は?
JR6社の普通・快速列車(普通車)に乗り放題。指定席車は別途、指定席券を買えば利用できる。「ホームライナー」系統の列車も乗車整理券などを買えば乗れる。途中下車の制限はなく、JR在来線ならどの駅でも途中下車が可能。
船はJR西日本宮島フェリー(宮島口―宮島間)を利用可能で、嚴島(いつくしま)神社のある宮島へ渡れる。

JR西日本宮島フェリー。26年3月に新造船「みせん丸」が就航した
元が取れる距離は?
3日間用は1日当たり約3330円、5日間用は同2410円に相当する。運賃体系はJR各社によって異なるが、JR東日本の場合、3日間用は片道181キロ以上、同じルートを往復する場合は片道で91キロ以上を往復乗車すれば、普通運賃より割安になる。5日間用は片道121キロ以上、往復なら片道61キロ以上を往復乗車すれば割安になる。
以下に東京駅発の元が取れるエリアを路線図にしたので参考にしてほしい。



5日間用の場合、東京駅から高崎線・信越線をたどると、磯部駅で1日分の元が取れる
1日でどこまで行ける?
東京駅を一番列車で出発し、普通・快速列車で西へ向かう場合は、スムーズに乗り継げば、10時58分に名古屋駅、14時13分に大阪駅、17時02分に岡山駅、20時27分に広島駅に到着。さらに西へ進めば、日付が変わった0時01分に山口県の新山口駅に着く。営業キロは1027キロで、通常運賃なら1万2980円の行程となる。
東京駅から北へ向かう場合は、上越線、羽越線を経由して、11時29分に新潟駅、18時23分に秋田駅、22時18分に青森駅に到着する。

東京駅から青森駅まで、普通・快速列車で当日中に到達できる
JR以外で利用できる路線は?
特例として、①青い森鉄道八戸(はちのへ)― 野辺地(のへじ)―青森駅間、②あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道富山―高岡― 津幡(つばた)駅間、③ハピラインふくい敦賀(つるが)― 越前花堂(えちぜんはなんどう)駅間の4社線は、七尾線、越美北(えつみほく)線などのJR線へ通過利用する場合に限り、普通・快速列車を利用できる(金沢―富山駅間を通しで乗車するような場合は利用不可)。途中下車は記載した8駅のみ可能。

富山―高岡駅間を青春18きっぷで利用し、氷見(ひみ)線・城端(じょうはな)線に乗り継げる(高岡駅で)
利用できるバス路線は?
旧気仙沼線、旧大船渡線、旧日田彦山線のBRT(バス高速輸送システム)と、災害などによる不通区間で運行される代行バスに限り、利用できる。26年4月の時点で乗れる主なバスは次の通り。
BRT 旧気仙沼線柳津(やないづ)―気仙沼駅間、旧大船渡線気仙沼―盛(さかり)駅間、旧日田彦山線添田(そえだ)―日田駅間
代行バス 津軽線蟹田(かにた)― 三厩(みんまや)駅間、陸羽東線鳴子温泉―新庄駅間、米坂線米沢―坂町駅間、美祢(みね)線厚狭(あさ)―長門市駅間

津軽線の終点、三厩駅。鉄道は被災のため運休中だが、代行バスが運行している
グリーン車にも乗れる?
「自由席グリーン車」は、別途グリーン券を買えば利用できるが、快速マリンライナーなどの「指定席グリーン車」は利用できない。
「自由席グリーン車」を連結した普通・快速列車は、首都圏の主要路線(東海道線、中央線、高崎線、宇都宮線、常磐線など)で多く運行している。熱海―高崎駅間などの長距離列車もあり、利用価値は高い。
特急には乗れる?
原則的に特急には乗れないが、特例として①石勝(せきしょう)線新夕張―新得(しんとく)駅間、②室蘭線東室蘭―室蘭駅間、③奥羽線青森―新青森駅間、④宮崎空港線宮崎―宮崎空港駅間、⑤佐世保線早岐(はいき)―佐世保駅間の5区間は、追加料金なしで特急の普通車自由席(①②は普通車指定席の空席)に乗れる。①~③は、それぞれの区間を越えて乗車する場合、全乗車区間の乗車券と特急券が必要になるので注意が必要だ。

宮崎空港駅で出発を待つ特急にちりん。宮崎駅までは青春18きっぷで乗車できる
観光列車は乗れる?
特急・急行でなければ、JRが運行する観光列車にも乗れる。「くしろ湿原ノロッコ号」、「SLやまぐち号」など、青春18きっぷで乗れる観光列車は全国で走っている。多くは全車指定席のため、別に指定席券が必要。多彩なシートや車内装飾が特徴で、一部列車には生演奏などの車内イベントもある。
ただし、全席指定席グリーン車の列車や、「東北エモーション」など全席が旅行商品として販売されている列車は利用できない。

日本海の絶景路線・五能(ごのう)線を走る観光列車「リゾートしらかみ」にも乗れる
北海道へ渡るには?
「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を買えば、北海道新幹線の新青森― 木古内(きこない)駅間、および道南いさりび鉄道線木古内―五稜郭駅間を、それぞれ片道1回のみ利用でき、本州―北海道間を移動できる。新幹線は普通車の空席に座れる。「オプション券」は4650円(子ども同額)で、乗車日当日限り有効。当日有効の青春18きっぷとの併用が条件だ。木古内駅では途中下車ができる。
青森―函館間は、青函フェリーと津軽海峡フェリーの2社が計14往復運航している。別途運賃はかかるが、船の移動も魅力だ。

「オプション券」で乗れる道南いさりび鉄道。函館湾沿いの眺めが良い
文・写真 谷崎 竜
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年7月号)
(Web掲載:2026年7月6日)


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