【絶景&グルメ 観光列車の旅】世界遺産の高野山へ向かう今年デビューの新型観光列車 南海高野線「GRAN天空」(2)
ランチコースのおかもち小鉢12品+炊き込みご飯+土瓶蒸し。地元食材を使った創作料理は、大阪市のレストラン「Genji(源氏)」の元川篤シェフが監修
こだわりが詰まったおもてなし
【絶景&グルメ 観光列車の旅】世界遺産の高野山へ向かう今年デビューの新型観光列車 南海高野線「GRAN天空」(1)から続く
定刻の12時45分、列車はなんば駅の「GRAN 天空」専用の0番ホームから出発した。食事はあらかじめセッティングされていて、テーブルの上には一つひとつ職人の手作りだという「おかもち」の箱があった。「非日常を演出した」という木箱は2段重になっており、南大阪や和歌山の地元食材をふんだんに使った、色とりどりの12品の創作料理が詰められ、さらに炊き込みご飯と冷製土瓶蒸しが付く。

専用ホームのなんば駅0番のりば

出迎えてくれるアテンダント
まもなくアテンダントが、最初のドリンクを聞きに来てくれた。私は高野山周辺でしか飲めないという、天空高野ビールを頼んだ。ともに出されるグラスの形がかわいくて、お土産に欲しいくらいだったが、販売はしていないそう。座り心地の良い窓向きのソファに座り、ビールを飲みつつ様々な創作料理を楽しんだ。
橋本駅を過ぎると、紀ノ川を渡った。列車は景色の良いところでは速度を落としてくれる。途中の龍王渓の景色も見事だった。その先、列車は50‰(パーミル)の急坂を登っていく。キーキーとレールが軋(きし)む音を鳴り響かせながら、列車は原生林の中をぐんぐん進む。

列車は原生林の中、山の稜線を見ながら進んでいく

景勝地・龍王渓を見ながら丹生川橋梁を渡る。高野下―九度山駅間の山あいを行く(写真/南海電鉄)

極楽橋駅の二つ手前、秘境駅と呼ばれる紀伊細川駅で10分ほど停車。その間は駅周辺を散策できる
終点の極楽橋駅には14時20分に到着。「GRAN 天空」の車内でしか販売していない金色の願掛羽(がんかけばね)を事前に買い、駅舎の専用スペースに飾る。ケーブルカーに乗り換える際は、窓の外に赤い極楽橋が見えた。この橋は、この世とあの世の境だと言われているそうだ。

極楽橋駅構内の天井には極楽鳥や高野山ゆかりの動植物が描かれている

「GRAN 天空」車内限定販売の金色の願掛羽
高野山駅でケーブルカーを降りてバスに乗り換え、「奥の院前」へ向かった。下車後、鬱蒼(うっそう)とした杉木立の中を奥之院へと進む。この道を父母と歩いたことを思い出し、郷愁に浸りながらお参りした。
沿線観光
高野山 奥之院
平安時代に空海(弘法大師)により開かれた真言密教の聖地、高野山の中でも空海が入定(にゅうじょう)した奥之院は最も神聖な場所で、今も空海が瞑想(めいそう)を続けているとされる。一の橋から御廟(ごびょう)までの約2キロの参道には樹齢700年を超える杉木立が茂り、供養塔や墓石が20万基以上並ぶ。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産。
■奥之院 納経所 8時~17時(燈籠堂は6時~、冬季は異なる)/無休/和歌山県高野町高野山550/ケーブル高野山駅前からバス28分、奥の院前下車徒歩10分/TEL:0736-56-2002

宿坊 天徳院
1622年、加賀藩の第2代藩主・前田利常(としつね)の正室、天徳院の菩提(ぼだい)のために創建。総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)の近くに位置し、小堀遠州作の庭園は国の名勝に指定されている。宿坊では、歴代高僧の書や床の間の掛け軸、襖(ふすま)絵などの文化財を鑑賞し、朝の勤行(ごんぎょう)も参加できる。風呂は男女別の大浴場で、食事は精進料理が出る。
■1泊2食1万6500円〜/和歌山県高野町高野山370/ケーブル高野山駅前からバス15分、金剛峯寺前下車徒歩2分/TEL:0736-56-2714


文/やすこーん 写真/宮川 透
🚊GRAN天空🚊
◉運行区間 :なんば―極楽橋(約1時間30分)
◉運行日 :毎週水曜と第2・4木曜を除く毎日、1日2往復
◉料金 :4号車=ランチは1万4930円、モーニング・アフタヌーンティーは1万2730円、ワンドリンク付き7010円(2人利用時の1人分、運賃・高野山までのケーブルカー料金を含む)、1・2号車=乗車券1430円(なんばー高野山)+特別急行料金1700円
◉予約方法 :「GRAN 天空」専用サイトか各旅行会社の旅行プランで予約。4号車の食事+フリードリンク付きプランは、乗車日(当日含む)の30日前から
◉問い合わせ:南海電鉄コールセンター TEL:050-3090-2608
🚊公式サイトは👉こちら




やすこーん
旅して描く(書く)漫画家&文筆家。駅弁・駅そば・お酒・温泉を楽しむ「ひとり鉄道旅」が好き。食べた駅弁は2200食以上。温泉ソムリエマスター。主な著書は『おんな鉄道ひとり旅』 (小学館)、『メシ鉄!!!』(集英社)、『やすこーんの鉄道イロハ』(天夢人)など。最新刊は「食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅」(玄光社)1980円。
※記載内容は掲載時のデータです。
(出典:旅行読売2026年8月号)
(Web掲載:2026年8月8日)


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