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【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(1)

場所
> 和歌山市、紀の川市
【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(1)

沿線の菜の花畑と「いちご電車」。列車の運用は日によって異なり、和歌山電鐵のホームページで確認できる(写真/ピクスタ) DESIGNED BY EIJI MITOOKA+DON DESIGN ASSOCIATES

予約不要の観光列車、地方の町を気楽に巡りたい

慌ただしい年末年始が終わり、ようやく自分の時間が戻ってきた。そんな時、ふと湧いてくるのがひとり旅への欲求だ。予約不要の観光列車に乗って、地方の町を気楽に巡りたい。気候温暖な和歌山なら、春を先取る素敵な旅ができそうだ。

そんな思いで向かったのは、和歌山市と紀の川市を結ぶ貴志川(きしがわ)線。和歌山駅の9番ホームに行くと、2両編成のキュートな「いちご電車」が待っていた。白いボディーに真っ赤なドアと、イチゴのマークが映えている。車内は自然木がふんだんに使われ、ナチュラルで明るい印象だ。座席シートもイチゴ模様で、まさに春らんまん。

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貴志駅周辺の特産品であるイチゴをあしらった「いちご電車」 DESIGNED BY EIJI MITOOKA+DON DESIGN ASSOCIATES

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床やベンチなどに自然木を使用している DESIGNED BY EIJI MITOOKA+DON DESIGN ASSOCIATES

沿線には日前宮(にちぜんぐう)、竈山(かまやま)神社、伊太祁曽(いたきそ)神社が鎮座する。大正時代、三社参りの足として開業したのがこの路線の起源だ。平成には廃線危機も迎えたが、住民運動が功を奏して存続が決定。2006年から、岡山電気軌道が設立した和歌山電鐵が経営を担っている。

女性ファンが多い「いちご電車」は著名な工業デザイナー・水戸岡鋭治(みとおかえいじ)氏が手がけた車両の一つ。ほかにも「たま電車」「うめ星電車」など多彩な列車が揃っているのも魅力だ。営業距離は14.3キロで、里山や集落などのどかな田園風景が味わえる。

終点の貴志駅に着くと、ネコの駅長が迎えてくれた。たま駅長の後を継ぐ三毛猫で、名は「よんたま」。ガラス張りの駅長室で寝そべる姿は愛嬌(あいきょう)たっぷりで、駅長らしい風格もちらり。ネコの顔を模した、唯一無二の駅舎もカメラに収めたい。

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〝終点の貴志駅で待ってるニャ!〟貴志駅長・よんたま。出勤日をホームページでチェックして会いに行こう

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外観が印象的な和歌山電鐵貴志駅 DESIGNED BY EIJI MITOOKA+DON DESIGN ASSOCIATES

駅舎内の「たまカフェ」で休憩し、周辺を歩いてみた。自然食品の店「しおん」には、イチゴの加工品も並ぶ。「和歌山県のオリジナル品種〝まりひめ〟は、甘みと酸味のバランスがよくて果汁が豊富です」と店主。4月中旬まで、貴志川町内でイチゴ狩り体験もできるとか。和歌山ブランドのイチゴに惹(ひ)かれ、自分へのお土産に「まりひめコンフィチュール」を選んだ。

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「たまショップ」で購入できる「たまニタマ注染(ちゅうせん)手ぬぐい」1760円

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「たまカフェ」のドリンクには肉球トッピングも!

貴志川いちご狩り園 <貴志>

土壌栽培のビニールハウスで、特産イチゴの「まりひめ」「べにほっぺ」などを摘んで1時間食べ放題。練乳やトッピングの持ち込み可(イチゴ以外の食事は不可)で、多様な品種の食べ比べができる。2026年の開園は4月19日まで。雨でも楽しめる魅力的なアクティビティだ。
■9時〜14時/不定休/2800円(土・日曜、祝日は3300円)/和歌山電鐵貴志川線貴志駅から徒歩15分/TEL:0736-64-7212

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コースアドバイス
◉ 貴志川線で三社参りをするなら1日乗車券800円が便利でお得。加太線は「加太観光デジタルきっぷ」2040円がおすすめ。
◉ 加太港からフェリーに乗り友ヶ島を散策するプランも魅力。2泊3日の旅にするなら和歌山駅周辺のホテルに泊まり、豊臣秀長ゆかりの和歌山城を探訪するのも楽しい。

文/北浦雅子 写真/清水いつ子ほか

【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(2)へ続く(3/31公開)


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年3月29日)


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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