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【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(2)

場所
> 和歌山市、紀の川市
【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(2)

めでたいでんしゃは2両編成。海に沈んでゆく夕日をバックに、水色の「かい」が走行する

加太さかな線で魚介の宝庫へ

【鉄道ひとり(一人)旅】いちごと鯛のかわいい列車で春グルメと絶景、温泉を堪能<和歌山電鐵-南海電鉄>(1)から続く

和歌山駅に戻り、名物駅弁の「小鯛雀寿(すずめず)し」を購入する。続いて紀勢線を経由し、南海加太線に乗れる和歌山市駅へ。加太線の愛称は〝加太さかな線〟。「線路の上をタイが泳いでいるよう」と評判の、「めでたいでんしゃ」が目当てだ。縁起のよいネーミングで、今年初のひとり旅にぴったり。「加太はタイで知られる町なので、10年前に社内の担当者がうまく名付けたんです」と南海電鉄の岸上俊(すぐる)さん。車両はタイをモチーフにしたデザインで、ピンクや水色、赤など5色ある。「さち」「かい」など、それぞれに愛称とテーマがあるそうだ。

くりっとした目でホームにやってきたのは、24年にデビューした虹色の「かなた」。 魚やクラゲの形のつり革や、虹模様のロールカーテンなど内装にも遊び心があふれる。足元には和歌山で化石が発見されたワカヤマソウリュウ(モササウルスの新種)が描かれ、床全体が海のよう。

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和歌山市駅にお茶目な表情の「かなた」が到着

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太古の記憶を表現した車両に実物大のワカヤマソウリュウが

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つり革も海の生き物シリーズだが、ハート型を見つけたらラッキー

市街地を抜けると、車窓に海が広がった。沖に淡路島が望めて爽快な気分だ。「磯の浦ではシラスも取れます。現地で食べるシラスは格別においしいですよ」と岸上さん。春はタイも旬。体がピンクに染まるので「桜鯛(さくらだい)」と呼ばれ、珍重されているという。海鮮グルメへの期待が、じわじわと高まっていく。

乗車から約25分で終点の加太駅に着き、「休暇村紀州加太」にチェックイン。紀淡(きたん)海峡の絶景と新鮮な海の幸、天然温泉を存分に満喫した。翌日は加太の町をのんびり散策。細い路地の向こうに、小さな港が見える。ノスタルジックな漁師町で、自由気ままな旅時間を楽しもう。

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昔ながらの素朴な駅舎も加太駅の魅力

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杉の間伐材を使い、市内の高校生たちが作った駅名看板

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加太駅で買える「めでたいさいふ」1000円

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潮風を浴びて加太港を歩く。すぐ近くに「女性のための神様」として信仰される淡嶋(あわしま)神社がある

めで鯛食堂 <加太>

漁師町ならではの新鮮な地魚が味わえる店。居心地のよいカウンターがあるのも、ひとり客にはうれしい。ランチの定食は1000円~で、好みのおかずを選ぶスタイル。タイやハマチ、タコ(仕入れにより異なる)など6種の地魚の刺し身に、しらす丼が付く定食は2600円。
■11時~13時30分(土・日曜、祝日のみ)、18時~20時/不定休/南海加太線加太駅から徒歩15分/TEL:070-9014-1075

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ひとり旅の宿🏨


休暇村紀州加太 <加太>

紀淡海峡と夕日が織りなす絶景を客室や大浴場、レストランから一望できる。夕食はタイの小鍋や造りの5種盛り、ステーキなど彩り豊か。3~5月に登場する「桜鯛会席」も好評だ。朝食の「加太朝懐石」や具材を選べるおにぎりも人気。星空観察など夜の体験プログラムも充実している。

20●14露天に登場した「インフィニティ風呂」は、湯船に浸かると、紀淡海峡と湯面が一体化する趣向です.jpg

TEL:073-459-0321 和歌山市深山483

ひとり泊データ
条件:2026年9月15日までの平日のみ(繁忙期を除く)
料金:1泊2食2万650円~、1泊朝食1万7650円 ~
客室:トイレあり和室10畳など(全72室)
食事:夕食・朝食=レストラン
日帰り入浴:12~15時/無休/1500円
交通:南海加太線加太駅から定期送迎バス10分(1日11本、予約不要)

釣り人の宿 旅籠屋 菊水 <加太>

釣り好きが集まる加太に2022年にオープンした小さな旅館。釣り客には乗合船に合わせた早朝チェックアウトや弁当のサービスがある。漁師町の風情を求める旅行者にも最適。館内はスタイリッシュで女性も快適だ。夕食(別料金)は1階・居酒屋スタイルの「めで鯛食堂」で旬の魚介を堪能しよう。

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TEL:080-4496-9305 和歌山市加太485

ひとり泊データ
条件:なし
料金:1泊朝食6500円~、素泊まり5500円~
客室:トイレなし洋室11〜12平方㍍など(全6室)
食事:朝食=1階居酒屋
交通:南海加太線加太駅から徒歩15分

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コースアドバイス
◉ 貴志川線で三社参りをするなら1日乗車券800円が便利でお得。加太線は「加太観光デジタルきっぷ」2040円がおすすめ。
◉ 加太港からフェリーに乗り友ヶ島を散策するプランも魅力。2泊3日の旅にするなら和歌山駅周辺のホテルに泊まり、豊臣秀長ゆかりの和歌山城を探訪するのも楽しい。

文/北浦雅子 写真/清水いつ子ほか


※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年3月31日)


Writer

北浦雅子 さん

和歌山の海辺生まれで、漁師の孫。海人族の血を引くためか旅好き。広告コピーやインタビューなど何でもやってきた野良ライターだが、「旅しか書かない」と開き直って旅行ライターを名乗る。紀伊半島の端っこ、業界の隅っこにひっそり生息しつつ、デザイナーと2人で出版レーベル「道音舎」を運営している。https://pub.michi-oto.com/

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