たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【手わざの日本旅】第1回 界 別府 臼杵焼の陶芸家から学ぶ、オリジナルキーホルダー製作(2)<大分・別府温泉>

場所
> 別府市
【手わざの日本旅】第1回 界 別府 臼杵焼の陶芸家から学ぶ、オリジナルキーホルダー製作(2)<大分・別府温泉>

朝日を望む「界 別府」の足湯。別府湾を一望する湯あみスポット

【手わざの日本旅】第1回 界 別府 臼杵焼の陶芸家から学ぶ、オリジナルキーホルダー製作(1)<大分・別府温泉>から続く

臼杵焼で味わう夕食

「うすき皿山」での体験を終えたら、併設のカフェやギャラリーに立ち寄り、その後、界 別府へ向かい、チェックインする。

温泉で体をほぐした後は、楽しみにしていた夕食だ。会席料理にはフグや豊後名産の魚介、旬の野菜など、大分の恵みが並ぶ。そして料理を彩るのは、工房で見たばかりの臼杵焼である。蓮(はす)の葉をモチーフにした器や、花びらのような輪花の器など、一皿ごとに異なる器が使われ、スタッフがその特徴やデザインを紹介してくれる。工房で聞いた「器は料理の額縁」という言葉が、目の前の一皿で実感へと変わる瞬間だ。

料理に合わせて、大分の麦焼酎やワインとのペアリングも楽しめる。郷土料理も味わい、大分の食文化を堪能する。工房で器を知り、その器で食事を味わう。ここで初めて、このプログラムが一つの物語としてつながる。客室にも臼杵焼の茶器が用意され、自由に使える。

2-3_MG_1416-4.jpg
「器は料理の額縁」。「手業のひととき」では、夕食の全料理を輪花などの臼杵焼で味わえる

2-1【界 別府】ご当地部屋「柿渋の間」特別室.jpg
別府湾を一望する客室。地域の伝統工芸を取り入れ、「ご当地部屋」と呼ばれる

2-2_MG_4528.jpg
ぬる湯とあつ湯が楽しめる大浴場。約400個の臼杵焼が壁を彩り、由布岳や鶴見岳の草花を表現する

温泉街を伝える宿へ

別府は日本一の源泉数と湧出量を誇る湯の町だ。滞在中は、温泉文化が学べるアクティビティーが用意され、例えばスタッフの解説による「ジモ泉(せん)と別府の暮らし」は毎日開催。市内に200以上ある共同浴場を、親しみを込めて「ジモ泉」と呼び、その歴史や入浴マナー、地元の人とのふれあい方まで教えてくれる。

さらに、スタッフと温泉街を歩く「別府レトロ湯めぐり旅」では、別府観光の父・油屋熊八(あぶらやくまはち)ゆかりの地や共同浴場をめぐり、観光だけではない別府の日常に出会える。夜には桶や温泉を楽器にした「湯治ジャグバンド」が湯の広場を盛り上げるなど、別府らしい文化に触れられる。

「界」で温泉文化を学ぶ


温泉文化いろは「ジモ泉と別府の暮らし」

地元温泉こと「ジモ泉」と呼ばれる別府の共同浴場について、スタッフが文化や楽しみ方を紹介する。市内には、地元の人々が守る200以上の共同浴場が点在。講座では、その歴史や役割、入浴時の挨拶や湯温調整の声かけなど、地元ならではのマナーも学べる。特製手ぬぐいや「ジモ泉の手引き」を進呈。

4-2_MG_4754.jpg

時間:チェックイン当日14時45分〜、15時15分〜、15時45分〜、16時15分〜、所要15分(通年開催)
場所:界 別府・湯の広場
料金:無料
定員:各回最大16人まで
予約:不要
※ジモ泉セット(ジモ泉入浴券、石けん、風呂敷、貸し出しタオル)は、ショップにて販売(1000円)。

別府レトロ湯めぐり旅

スタッフとともに温泉街を歩き、港町として栄えた歴史や、ハネムーンの聖地となった背景、路面電車が走っていた頃の風景や、観光の礎を築いた油屋熊八の足跡などをたどる。途中、100年以上の歴史を持つ竹瓦温泉や寿温泉など人気の「ジモ泉」を訪ねながら、レトロな温泉街の魅力を味わう。

4-4-other_MG_4981.jpg
重厚感あふれる唐破風がレトロな竹瓦温泉

4-5X2.jpg
公民館併設型の寿温泉

開催期間:2026年11月30日まで(一部除外日あり)
時間:チェックイン当日14時〜15時
場所:界 別府・湯の広場集合
料金:1人5000円(税込、宿泊費別)
定員:1日5組(1〜10人)
含まれるもの:手ほどき&ジモツアー、ジモ泉のおとも、ジモビール、ジモアイス
予約:7日前までに「界 別府」ホームページ

「スタッフは旅館の案内役であると同時に、別府という温泉街、ひいては大分県の案内人でもあります。」

そう話す総支配人・松嶋勇さんの言葉どおり、界 別府ではスタッフひとりひとりが地域を知り、自ら楽しみ、その魅力を旅人へ届けている。

人との縁から、その地域の文化や歴史、暮らしへと旅が広がっていく。そんな土地との出会いこそ、界でめぐる「手わざの日本旅」である。

Pickup!


温泉大好きスタッフ!廣岡太郎さん

界 別府の開業に合わせて着任した廣岡さんは、3か月で「別府八湯温泉道」88湯を巡り、名人に認定。5年間で1500湯以上に入り、自宅も温泉付きという筋金入りの温泉好きだ。「共同浴場は地元の方にお借りする気持ちで入ると、より楽しめます」と話す。夜のご当地楽(がく)「湯治ジャグバンド」(写真・下)では、学生時代に打ち込んだ民族音楽の経験も生かし、会場を盛り上げる。

4-6_kirinuki-MG_1626.jpg

4-7_MG_1901.jpg

文/のかたあきこ 撮影/木下清隆


界 別府
住所:大分県別府市北浜2-14-29
TEL:050-3134-8092(界予約センター)
交通:JR日豊本線別府駅から徒歩約10分/東九州道別府ICから約10分/大分空港から車で約45分
公式サイトは👉こちら

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2026年9月号)
(Web掲載:2026年8月7日)


Writer

のかたあきこ さん

旅ジャーナリスト・編集者。町、人、温泉、宿をテーマに30年以上、全国を取材。テレビ東京「ソロモン流」で「旅の賢人」と紹介される。宿本・旅美人SPECIAL編集長、温泉ソムリエアンバサダー、銭湯検定1級、日本茶インストラクター、健康マスター普及認定講師、サウナ・スパプロフェッショナル、日本エコツーリズム協会会員。福岡県出身(福岡検定・上級)。著書に『手わざの日本旅 星野リゾート温泉旅館「界」の楽しみ方』、『温泉街リノベーション 公民連携&星野リゾートで挑む「オソト天国」長門湯本温泉の10年』(ともに旅行読売出版社)。

Related stories

関連記事