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【手わざの日本旅】第3回 界 奥飛騨 匠の心と技に触れる一つだけの家具作り(2)<岐阜・平湯温泉>

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 岐阜県
> 高山市
【手わざの日本旅】第3回 界 奥飛騨 匠の心と技に触れる一つだけの家具作り(2)<岐阜・平湯温泉>

729通りの組み合わせからオリジナルのスツールを作る「手業のひととき」

「欠点」か「個性」か

【手わざの日本旅】第3回 界 奥飛騨 匠の心と技に触れる一つだけの家具作り(1)<岐阜・平湯温泉>から続く

工場見学の後は、高山市街の「遊朴館 HIDA GALLERY(ゆうほおかん ヒダ ギャラリー)」へ。ここからは自分がスツールを作る番だ。

指導してくれるのは、同ギャラリーの木工具コンシェルジュ・ストアアドバイザーの浦谷大司(うらたにたいし)さん。今回は界 奥飛騨でこのプランを担当する菅野優佳さんも一緒に体験する。菅野さんは、飛騨の木工文化を宿泊客に伝えたいと、これまで何度もスツール作りを体験してきた。地域から学び、自ら体験して、旅人へ伝える。界のスタッフも地域文化との橋渡し役なのである。

2_MG_0646.jpg界 奥飛騨のスタッフ3人が制作したスツール

まずは座板や脚選びから。節、虫穴、色むらほか、木目や色をじっくり眺める。「それを個性と思うか、欠点と思うか」。浦谷さんの言葉に、なるほどと思う。整った木もきれいだが、少しクセのあるものが気になってくる。「私はこれが好き」と思える座板と脚を選んだ。実はこれらの部材は、家具製作で生じた端材(はざい)や、通常は使いにくい木を再加工したものだ。

その後、各パーツの接合部をヤスリで削り、何度も差し込んで調整する。削り足りなければもう一度削ればよいが、削りすぎたら元に戻せない。のりを塗って、ハンマーで叩いて組み立てる。工場ではスムーズに進んでいた工程が、自分でやってみると一つ一つが難しい。最後にオイルを塗ると、木肌がしっとり濡れ色になり、選んだ木目が鮮やかに浮かび上がった。「この木を選んでよかった」と、早くも愛着が湧いてくる。

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宿で飛騨の家具を実際に使い、ご当地楽で木を曲げる。翌日は工場で家具作りの現場を見て、最後には自分で一脚をつくる。この体験をした宿泊客から「椅子や家具を見る目が変わりました」と言われることが多いそうだ。まさに、そんな旅だった。旅の前と後で、椅子の見え方が少し変わった。

教えてくださったのは…

飛驒産業 遊朴館 HIDA GALLERY スタッフ 浦谷大司さん

飛騨職人学舎で木工を学び、2017年に飛驒産業入社。特注家具の製作・設計に従事し、20年に技能五輪全国大会・家具部門で岐阜県初の金賞を受賞。24年に浦谷家具製作所を開業。木工技術の継承と発展に取り組む。岐阜県関市出身。

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期間:毎週火・金曜、通年開催
開催時間・場所:宿泊翌日の10時30分〜13時(飛驒産業での工場見学:30分〜45分、遊朴館でのスツール製作体験:1時間30分)、現地集合(飛驒産業)・解散(遊朴館)
料金:1人2万円(税込み、宿泊費別)
定員:4人
※7日前までに「界 奥飛騨」ホームページで予約

遊朴館 HIDA GALLERY

作家ものの工芸品などが集まるギャラリー。併設のCAFE&TABLE 工(こう)では食事やお茶もできる。

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スリープツーリズムプラン「飛騨MOKU良眠滞在」

日中はスタッフと平湯大滝まで森を歩き、客室では飛騨ヒノキをカンナで削って入浴剤作り。客室露天風呂ではヒノキの香りに包まれ、飛騨の森のエッセンシャルオイルが心地よい眠りへと誘う。豊かな木工文化と周辺の自然を堪能する10月31日までの宿泊プラン。

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界 奥飛騨の離れ棟の足湯からはアカンダナ山を望む

文/のかたあきこ 撮影/木下清隆


界 奥飛騨
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯138
TEL:050-3134-8092(界予約センター)
交通:JR篠ノ井線松本駅からバス約1時間30分、JR高山本線高山駅からバス約1時間/中部縦貫道平湯ICから約5分、東海北陸道高山ICから約50分
公式サイトは👉こちら

※記載内容はすべて掲載時のデータです。

(出典:「旅行読売」2026年11月号)
(Web掲載:2026年10月1日)


Writer

のかたあきこ さん

旅ジャーナリスト・編集者。町、人、温泉、宿をテーマに30年以上、全国を取材。テレビ東京「ソロモン流」で「旅の賢人」と紹介される。宿本・旅美人SPECIAL編集長、温泉ソムリエアンバサダー、銭湯検定1級、日本茶インストラクター、健康マスター普及認定講師、サウナ・スパプロフェッショナル、日本エコツーリズム協会会員。福岡県出身(福岡検定・上級)。著書に『手わざの日本旅 星野リゾート温泉旅館「界」の楽しみ方』、『温泉街リノベーション 公民連携&星野リゾートで挑む「オソト天国」長門湯本温泉の10年』(ともに旅行読売出版社)。

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