赤いハートのはめ込み式絵馬。石川県・片山津温泉の愛染寺
書き終えて笑顔を見せる参拝者たち。書いたのはどんな願い事?
石川県の加賀温泉郷の一つ片山津温泉の真ん中あたり、小高い山を登ると愛染寺がある。境内からは柴山潟が見渡せるのだが、本堂に向かって右側に、赤いハートの絵馬がズラリと並んでいるのが、いやおうなく目に入ってくる。
その名も「一心絵馬」といい、願い事を書く赤いハートと外枠からなる。
願い事を書く赤いハートと外枠からなる「一心絵馬」
寺の名前の由来ともなっている愛染明王は、良縁にとどまらず、仕事や夢などもかなえる「縁結び」のご利益があるといわれる。愛染明王に「一心」に祈り、願いを書いたハートに合う外枠を探す。奉納する参拝者が完成させる珍しい絵馬だ。
愛染明王に「一心」に祈りながら願い事を書く
竹内秀岳住職によれば、「ハートの赤色は、加賀温泉郷・山中温泉の伝統工芸・山中塗りの作家が心を込めて塗ったもの」だという。
愛染寺(電0761・74・0169)の本尊は「薬師瑠璃光如来」で、片山津温泉を守護する「お薬師」様として親しまれている。同寺の「一心絵馬」は山中塗りの職人を含め、6人の様々な役割の人々によって作られている。加賀温泉駅からはバスやタクシーで約10分。車の場合は、北陸道・片山津ICから約5分。
出典:「旅行読売」2019年3月号