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ナニコレ!?みやげ 長崎県の巻 ちゃんここ(治安孝行)

場所
> 五島市
ナニコレ!?みやげ 長崎県の巻 ちゃんここ(治安孝行)

鉦の音と太鼓の音が響きあうような、粒餡(つぶあん)の味ときな粉の香り

「ちゃんここ(治安孝行)」という不思議な名前にひかれて、九州西端・五島列島から取り寄せてみた。箱には、五島列島に伝わる念仏踊りの絵が描かれている。「チャン」が鉦(かね)の音、「ココ」が太鼓の音で「ちゃんここ踊り」と呼ばれるようになったとの説があるという。

箱には「治安孝行」とある。この漢字がなぜあてられているのか。ひっかかりながらも、箱をあけ、紙とアルミ紙の二重の包み紙を開く。するとパアッと広がるきな粉の香りが鼻をくすぐった。ふんだんにまぶされているきな粉をこぼさないよう、2枚の包み紙にのせたまま、口にはこぶと、小豆の形と味がしっかりと感じられる粒餡と、水飴で練り上げた少量の餅が、舌の上に、その姿を現した。「チャン」がきな粉、「ココ」が粒餡と餅ではないか、と感じた。

福江島で、8月のお盆の時期に見ることができる「ちゃんここ踊り」

箱に入っていた説明書によれば、「ちゃんここ踊り」の由来は、今から830年ほど前に、領主の家臣に攻められて僧が亡くなった事件にさかのぼる。その後、怪異が絶えず、民心に不安を与えたことから、僧の供養、市井の「治安」のために踊りが始まったのだという。「ちゃんここ踊り」は、五島列島の福江島で、8月のお盆の時期に見ることができる。民心の不安を鎮めたという踊りをこの目で見て、この菓子を土産に持ち帰ろうと心に決めた。

【価格】 写真は15個入り1500

買える場所

長崎県五島市中央町7-20 御菓子司はたなか本店など

お取り寄せ

御菓子司はたなかホームページから

http://www.hatanaka.cc/product.htm

問い合わせは、御菓子司はたなか(TEL0959・72・3346)

出典:旅行読売2017年11月号

長崎県関連ツアーはこちら

https://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kokunai/kyushu/nagasaki/

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。

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