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ナニコレ!?みやげ 東京都の巻 切腹最中

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ナニコレ!?みやげ 東京都の巻 切腹最中

「忠臣蔵」ゆかりの和菓子店が売り出す

江戸時代中期の元禄14314日(1701421日)、江戸城内で赤穂藩藩主・浅野内匠頭(たくみのかみ)が高家・吉良上野(こうずけ)介(のすけ)に刃傷に及んだことに端を発するのが「忠臣蔵」。加害者とされた浅野は、一関藩主田村右京太夫邸に預けられ、即日切腹となった。

1990年、これをヒントに「切腹最中(もなか)」を売り出したのは、田村邸跡の一角に当時店舗を構えていた和菓子店新正堂3代目の渡辺仁(よし)久(ひさ)さんだ。


お得意様へのおわび用でヒット

渡辺さんは、「『忠臣蔵』にまつわる数々の語りぐさがこの菓子を通じて、皆様の口の端にのぼれば」との思いを込めた。発売前、周囲からは「切腹」という言葉に反対論も強かった。だが、顧客に損をさせた営業マンが、「切腹最中」を持って行くと、相手が上機嫌になった、という話が広まり、たっぷり入った餡のおいしさもあってヒット商品になった。


上司と部下の意思疎通にも威力

十数年前、ある大企業の管理職が店に来て、「切腹最中」を45個も買い込んだ。「若い連中に配って『腹を割って話そうや』と言ってみる」とのことだった。その後、管理職は「うまくいった」と笑顔で報告に来た。


1992年からは「景気上昇最中(さいちゅう)」も

92年からは、世の中に元気を振りまこうと「景気上昇最中」も売り出している。「最中」には、ユーモア精神から「さいちゅう」とふりがなをつけた。渡辺さんは「これからも、お客様の話がはずむお菓子作りに打ち込みます」と力を込める。

文/藤原善晴


切腹最中
切腹最中

買える場所

東京都港区新橋4丁目の新正堂店舗や羽田空港売店など

お取り寄せ情報

新正堂オンラインショップ
https://shinshodoh.shop-pro.jp/

問い合わせ

新正堂
TEL 03-3434-2512

Writer

藤原善晴 さん

月刊「旅行読売」編集部に2019年12月まで勤務。現在読売新聞東京本社文化部。瀬戸内海が見晴らせる広島県安芸津町風早(現・東広島市)生まれ。レトロブームということもあり、最近は「昭和」という言葉に敏感に反応。また、故郷が「令和」の典拠となった万葉集ゆかりの地であるため、福岡県太宰府市、奈良県、富山県高岡市、鳥取県など各地の「万葉集」ゆかりのニュースにも目を光らせている。

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