クロアチア・ドゥブロヴニク(上)「アドリア海の真珠」と呼ばれる港町
ドゥブロヴニク旧市街の港から、昔風の帆を張った遊覧船が出航する。地中海貿易で繁栄した「独立共和国」の歴史がしのばれる光景だ。右手奥には、旧市街西側を防備したロヴリイェナツ要塞が見える(写真/ドゥブロヴニク観光局)
ドゥブロヴニクに「この世の天国を求めて」
アイルランド生まれの劇作家でノーベル文学賞に輝いたバーナード・ショーは1929年、「この世で天国を求めるならドゥブロヴニクへ行かれるがよい」と語ったという。
紺碧のアドリア海に面したクロアチアの港町ドゥブロヴニク。
その旧市街を囲む堅固な城壁は、文明の利器・自動車を寄せ付けず、美しい大理石の通り、古い薬局、教会、修道院などを、現代まで守り伝えている。
1か月以上は滞在しないと分からない?港町の魅力
ドゥブロヴニク空港で乗ったタクシーの運転手が、ニコニコしながら話しかけてきた。
「この街の魅力がある程度分かるには、1か月以上は滞在しないとね。日本人は休暇が短いと聞くけど、高い飛行機代を払って来るんだから」。
タクシーは海岸の崖沿いの道路を突っ走るので、アドリア海の眺望はまさに絶景。雲が太陽を覆い、空がオレンジ色や紫色に染まる。しばらく走ると、ドゥブロヴニク旧市街を囲む城壁の門が見えてきた。ここからは自動車は入れず、コロ付きのスーツケースを引きながら、宿へ向かって歩く。
ドゥブロヴニクは「アドリア海の真珠」と呼ばれる。海に向かって貝のようにせり出した旧市街。その様子は、街の背後にあるスルジ山にロープウェーで上れば一目瞭然だ。
旅のインフォメーション
交通/成田空港から欧州主要都市などを経由して14時間~17時間程度
時差/日本より8時間遅い(サマータイム実施期間中は7時間遅い)
ビザ/観光目的なら90日以内は不要
問い合わせ/クロアチア政府観光局
(出典 「旅行読売」2019年10月号)
(ウェブ掲載 2019年10月1日)
クロアチア・ドゥブロヴニク(下)「貝殻」に守られた「アドリア海の真珠」