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タイ。経済発展と祈りにあふれた日常 (4)若者に人気の写真映えする寺院

場所
> バンコク
タイ。経済発展と祈りにあふれた日常 (4)若者に人気の写真映えする寺院

ワット・サマーン・ラッタナーラームの見上げるほど大きなガネーシャの像。周囲には神の使いとされるネズミの像が、誕生曜日の色ごとに点在する。自分の色のネズミに願い事をささやく時にも作法がある


国民の約95%が仏教徒というタイでは、男性は一生に一度は出家するという文化がある。信仰心には個人差こそあれ、SNSを通じて若者の間で寺院参拝が流行することも。バンコクからバスで約2時間、まさにそんな寺院のひとつであるワット・サマーン・ラッタナーラームを訪れた。寺院にはピンク色の巨大なガネーシャ(象の姿をした富の神)が横たわる。この神が願い事をすぐに叶えてくれるうえ、「インスタ映え」するというのが人気の理由だという。


祈りは深く根付いた日常風景


境内はさながらテーマパークの様相だが、自分の「誕生曜日」に基づいて参拝する人々の姿を見ると、祈りはタイに深く根付いた日常風景なのだろうと想像する。


宇宙的な天井画と青く輝く仏塔


写真映えする寺院ということでは、バンコクのワット・パークナム寺院の宇宙的な天井画と青く輝く仏塔にも驚かされた。それでもタイ人の参拝者たちはただ写真を撮って楽しむというわけでは決してなく、厳かに静かな祈りを捧げている。寺院から帰る途中、黄色い袈裟に身を包む幼い子どもの姿を見かけた。学校の休みを利用して出家をする子どもたちも少なくないという。


ワット・パークナム寺院で靴を脱ぎ、階段を上ってたどり着くのは、色鮮やかで神秘的な仏塔
ワット・パークナム寺院で靴を脱ぎ、階段を上ってたどり着くのは、色鮮やかで神秘的な仏塔
同寺院の参拝者は、ロウソクの火を使って線香などに火を灯す
同寺院の参拝者は、ロウソクの火を使って線香などに火を灯す


タイでは今、そんな不変の伝統と、急速な街の変化が華やかに交錯する。高層ビルが立ち並んでも、昔見た穏やかで祈りにあふれたタイの日常が、今も息づいていることがうれしかった。



旅のインフォメーション


交通/成田空港からスワンナプーム国際空港(バンコク)へは直行便で約6時間30分。バンコクからプーケット島へは直行便で約1時間20


時差/日本より2時間早い


ビザ/観光目的なら30日以内は不要


通貨/タイバーツ


気候/熱帯モンスーン気候で高温多湿。バンコクの年間平均気温は29度。強い日差しを防ぐ帽子やサングラスを用意しておきたい


問い合わせ/タイ国政府観光庁 https://www.thailandtravel.or.jp



出典:「旅行読売」2019年9月号


Writer

春日明子 さん

1979年生まれ、神奈川県出身。会社員時代に釣りに目覚め、いつの間にか釣り新聞の編集者となる。編集プロダクションにて旅行雑誌やコーヒー専門誌、機内誌を中心に編集・執筆活動を続けたのち、鮭釣りに訪れた北海道で人生の伴侶を釣り上げ、2016年に別海町へ移住。酪農地帯の真ん中で原稿を書く。

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