タイ。経済発展と祈りにあふれた日常 (2)圧倒的な存在感の寺院群
チャオプラヤ川から見るワット・アルン(暁の寺)
圧倒的な存在感を持つ寺院群は、船上からの眺めを彩る。歴史ある建造物と最新鋭のビルが織りなす景色の美しさに、しばし恍惚とした。
川沿いの三大寺院巡り
タイ王国の現在のチャクリー王朝が成立したのは1782年。その際、ラーマ1世により建立された王室専用の寺院がワット・プラ・ケオだ。エメラルドブッダが安置されていることからエメラルド寺院の異名を持つが、実際はエメラルドではなく翡翠に彫刻されている。仏舎利を納めた黄金の仏塔、豪奢な宮殿など伝統技術の粋を尽くした意匠にため息が出る。
そこから歩いて十数分、ワット・ポーへと向かう。バンコク最古の寺院で、タイ古式マッサージの総本山の役目も併せ持つ。全長46㍍、高さ15㍍もの黄金の涅槃像を仰ぎ見るが、あまりに大きく、全体像を把握するのが難しいほど。その足裏には仏教の世界観を表す108の図が、精緻な螺鈿細工で描かれていた。