19世紀日本の旅人たち、人力車……。オスマン帝国の写真コレクション(下)
笠や杖を手にした日本の旅人たち(ユルドゥズ宮殿写真コレクションから)
オスマン帝国のアブデュルハミト2世が19世紀に日本に送った写真家が撮影した、当時の旅人たちの様子や人力車、ホテルなどの写真が、東京都渋谷区のユヌス・エムレトルコ文化センターで11月7日まで開催中の「ユルドゥズ宮殿写真コレクション展」で展示されている。
トルコからやって来た写真家は、街道沿いに旅したのだろうか。展示写真には、笠や杖を持った日本の旅人たち、川や海で舟を操る船頭、客を乗せた人力車などを写っている。
京都の洋食屋兼ホテルも撮影
まだ日本各地に外国人宿泊用のホテルが数えるほどしかなかった明治初期。1877年(明治10年)頃、京都に洋食屋兼ホテルの「自由亭」が進出したと伝わる。日本の洋食屋の草創期に活躍した草野丈吉という人物が、大阪で洋食屋兼ホテルを開業して成功、京都に支店を出したとみられている。この京都の「自由亭」はそれほど長続きせず、残された記録も数少ない。
写真の中の、京都の「自由亭」には、アルファベットの看板がかかり、人力車が客待ちをしている
写真に写っている看板には、「JEUTEI’S」と「PALACE HOTEL KIOTO」のアルファベット文字や、漢字の「自由亭」などが見える。貴重な資料だといえそうだ。
イスタンブールにあるユルドゥズ宮殿は、かつてのオスマン帝国のスルタンの狩猟地の中に建設されたという。周囲のユルドゥズ公園とともに観光スポットなっている。
展示についての問い合わせはユヌス・エムレトルコ文化センターTEL:03-6452-9258
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