天竜浜名湖鉄道で巡る人気の産直市場
原谷駅~原田間を走る天竜浜名湖鉄道。秋の風情漂う田園地帯をのんびりゆく
ローカル線で巡るファーマーズマーケット
静岡県西部を走る天竜浜名湖鉄道(通称・天浜線)は、天竜川や浜名湖、茶畑を車窓に眺めるローカル鉄道。豊かな食材を育む大地を走る沿線にはファーマーズマーケットが点在。木造駅舎を利用したグルメ店も人気だ。秋の週末、のんびりと列車に揺られ、美味を巡る旅へ!
掛川駅から浜名湖北岸を走り、愛知と静岡の県境駅・新所原(しんじょはら)までの67.7㌔を結ぶ天竜浜名湖鉄道。現在も全区間が非電化の単線で、1両編成のディーゼル列車が頑張っている。
そんな列車の風情に加え、戦前に造られた駅舎やSL時代の転車台(いずれも現役!)など、実に36もの鉄道施設が国の登録有形文化財という、まさに〝レトロ〟な佇まいが魅力の路線なのだ。
近年ではこの懐かしい風景を求め多くの観光客が訪れるが、その人気をさらに高めているのが、沿線の農産物が買えるファーマーズマーケット。実りの秋、市場には新米や柿などの特産品が並び、新鮮なおいしさを求め、県外からも多くの人々が訪れる。
7つの直売所が駅から徒歩圏内。地域ごとに品ぞろえが異なるので、はしごするのも楽しい(詳細は下記)。
また現在11の駅舎を活用したグルメ店があり、さらに2019年はホテルまで登場。ファーマーズマーケット巡りで買い物を楽しみながら、個性豊かなローカルフードを味わおう。列車を眺めつつ蕎麦で日本酒をやるもよし、ピザとワインを楽しむもよし。列車旅ならではのひとときを満喫したい。
天竜 山の市【天竜二俣駅】
標高100㍍~400㍍の山間部で栽培される、コクと旨味のある天竜茶や、特産の原木椎茸など山里らしい食材が集まるJA直営のファーマーズマーケット。250軒の農家から毎日旬の野菜や加工品が届く。
特に生椎茸が店頭に並ぶ春(3月〜5月初旬)と、秋(9月下旬〜11月中旬)に訪れる観光客が多いとか。天竜二俣駅から徒歩10分。
9時〜17時/月曜休/TEL 053-925-8010
森の市【遠州森駅】
開店と同時に客が訪れる人気のファーマーズマーケット。森町が位置する太田川流域は野菜や米の栽培が盛ん。
特に秋は最高の食味、つや、香り、甘みを目指し、栽培から籾摺りまでこだわった「究極のコシヒカリ」や、皇室にも献上される次郎柿が人気だ。次郎柿は森町の原木から栽培が始まった甘柿で、柿ワインも販売。遠州森駅から徒歩3分。
9時~18時/無休(年始除く)/TEL 0538-85-0831
まだまだある!天浜線沿線のファーマーズマーケット
いずれも最寄り駅から徒歩5分!
■これっしか処【掛川駅】
南口コンコース内にある。掛川茶をはじめとする農・畜産品、海産物など旬の食材を販売。
■かけがわ西の市【原谷駅】
地元農家がもちよる野菜や果物を販売。秋は原木シイタケや柿などがおすすめ。
■ファミリーマート森町宮の市店【遠江一宮駅】
ファミリーマートと一体になった店舗で、地元の新鮮野菜や鮮魚、肉類などを販売。
■旬彩市【気賀駅】
奥浜名湖田園空間博物館総合案内所内にある。とれたて野菜のほか地元の名物も多数扱う。
■JAみっかび特産物直売所【三ヶ日駅】
地元農家の新鮮野菜のほか、三ヶ日みかん、ジュースやゼリーなどの加工品がそろう。
産直市場巡りのひと休みに・・・駅舎グルメ
piazza【金指駅】
2019年3月に金指駅舎内にオープンした石窯ピザが人気の一軒。
店主の和田穂高さんがイタリア産・日本産の小麦粉4種類を配合し、生地から作るピザは、ふっくらもちもちのナポリタイプと軽い食感のローマタイプが選べる。
自家製ジェノバソースがかかった「三方原馬鈴薯&とんきい極上ベーコン」(1700円)は、程よい塩加減と生地の旨さが際立つ逸品。
11時~15時(LO14時)、17時30分~21時(LO20時)、土曜は17時30分~21時30分(LO20時30分)/火曜・月2回不定休/TEL 053-542-2200
百々や【遠江一宮駅】
浜松出身の店主・美甘(みかも)康介さんが、店内の石臼で製粉し、手打ちする人気の蕎麦店。メニューは「ざる蕎麦」と「田舎蕎麦」(850円)の2種類のみ。本枯れ節と椎茸、利尻昆布で丁寧にとったダシで味わえる。
11時30分~15時(売り切れ次第終了)/月曜・火曜休(祝日の場合は営業/TEL 0538-89-7077