東北桜巡礼(1)1番札所・三春滝桜から20番札所・花見山へ
三春滝桜を見ようと全国から集まった人たち
東北・夢の桜街道の「1番札所」にして日本中にその美しさが知れ渡るシダレザクラ、三春滝桜(福島県三春町)を見たくて2018年4月8日の朝早く、東北新幹線で東京を出発した。郡山駅で下車、在来線、バスを乗り継ぎ、巨樹の前に到着。2日前の6日に満開となっており、少し散り始めていたが、巨大な滝桜からのエネルギーを全身に浴びた気がした。
震災復興支援でスタートした東北・夢の桜街
「東北・夢の桜街道~桜の札所・八十八か所巡り」は、震災後の東北復興支援のために2011年にスタートした。
20年ほど前から三春滝桜の周囲で雑草を取り、穴を掘って堆肥を入れているのは地元滝地区の滝桜保存会。東京に戻ってから、橋本寿之会長に電話をかけた。
滝桜保存会が手厚く守り育てる
「幼い時から、滝桜を眺め、周りが遊び場でした。日本中から観桜に来る皆さんのためにも、桜を守り続けていきたい」と話してくれた。
「昔、遠方から三回来たが、一度も見頃に遭わなかった、という方がいました。あなたは幸運ですね」と言われ、滝桜から「元気」をもらった感動がよみがえった。
「三春」の由来は、桜、桃、梅が同時に咲く土地だから、との説がある。滝桜までの沿道では、地元の農家の人たちが桜、桃、梅の苗を販売していた。また、臨時店舗では、桜ゆかりの銘菓を売っていた。店舗の外には腰掛けもあり、地元の人が温かいお茶を勧めてくれた。「見頃でよかったね」と声をかけられ、話が弾む
この年の「桜巡礼」では、次に20番札所・花見山(福島市)を訪れた。桜だけでなく、様々な花木が次々現れ、見飽きない。
名物は桜の香りがするゆべし
三春滝桜の近くにある「かんのや」は、江戸時代以来のゆべしの老舗。「さくらゆべし」は、滝桜が咲くころ、春の訪れを感じて食べる。ゆべしの生地に、桜の香りと桜葉を入れた逸品。桜の時期には「家伝ゆべしさくらあん」も人気。
かんのや 本店文助 (福島県郡山市西田町大田、TEL0247・62・2016)
同 郡山駅おみやげ館 (郡山駅構内、TEL024・934・2316)