被災地復興 宮城県女川町を歩く(1)
街並み一新 重点「道の駅」に
石巻線の終点・女川駅の駅前広場に出ると、メインストリート「レンガみち」を中心にした新しい街並みが目に飛び込んできた。レンガを敷き詰めた歩行者専用道路のレンガみちは、海に向かってゆるやかな下り坂になっている。長さ200㍍ほどの赤っぽい道の先には海が見え、潮の香が鼻を突いた。
かわいらしいデザインの駅舎といい、レンガみちの両側に並ぶ建物群といい、人工的な新しさを感じてしまうのは、この「まち」がまだ若いからだ。東日本大震災の際、女川町では800人以上が津波で犠牲になり、町の中心部はほぼ壊滅。かさ上げをして街は作り直され、2015年にようやく「まちびらき」が祝われた。
人気の女川丼 段ボールでランボルギーニ?
レンガみちの両側は計35店舗(2月14日現在)が入居する商業施設「シーパルピア女川」。中でも「ハマテラス」と名付けられた観光物産エリアでは鮮魚店が提供する「女川丼」が大人気で、私も早速注文して至福の時間を過ごした。ここでは、土・日曜に浜焼きや干物の大がかりな販売を行っており、大勢の観光客が押し寄せる。
施設の一角には段ボールで作ったスポーツカー「ダンボルギーニ」が展示されていて、その精巧さに驚かされた。
震災時の苦難しのばれる震災遺構
いわば「まち」全体が観光施設という印象。とはいっても、「女川町まちなか交流館」に行けば、パネルと映像で復興の歩みを知ることができるし、海辺に足を運び震災遺構の「旧女川交番」を見ると、震災時の女川の苦難がしのばれる。
女川町観光協会によれば、今年7月には、震災以来中止だった「みなと祭り」が10年ぶりに復活するそうだ。この「まち」のエリアが国土交通省から重点「道の駅」(<仮称>道の駅おながわ)に選定されたといううれしいニュースも入ってきた。
「女川は復興のフロントランナー」。帰りがけに寄った駅舎内の温泉施設「女川温泉 ゆぽっぽ」で湯につかりながらそんな言葉を思い出した。
(施設データ)
シーパルピア女川 8時30分~24時(店舗により異なる)/無休(店舗ごとに定休日あり)/☎0225・24・8118(総合案内・女川みらい創造)
女川温泉 ゆぽっぽ 9時~20時30分)/第3水曜休/500円/☎0225・50・2683
女川町まちなか交流館 9時~21時/第2・4火曜休、年末年始休/☎0225・24・6677
女川町観光協会 ☎0225・54・4328