被災地復興 宮城県女川町を歩く(2)
トレ―ラーハウスホテルで町のにぎわい目指す
東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた宮城県女川町。その中心部にあるホテル「エルファロ」で女将を務めているのが、佐々木里子さんだ。
エルファロは、建物を使わず、カラフルなトレーラーハウスが客室という新しいタイプの宿泊施設。もともと地元で旅館を営んでいた4業者が事業を再興するために共同で立ち上げた。
「機会あるごとに目を向けて」
震災で800人以上の死者・行方不明者が出たエリア。自身も旅館を営む両親を津波で失った。自宅兼旅館が津波に飲み込まれる様子を間近に見ただけに、「震災から日が経ち、メディアの目も段々とオリンピックの方にシフトしてきている。今後とも、機会あるごとに被災地にも目を向けてもらえれば」と語る口調は切実だ。
ホテルは震災翌年の2012年12月、町内の別の場所でスタート。トレーラーハウスを活用することになったのは、「当時の女川はこれから土地をかさ上げし、まちを作り直すという段階。開業しても移動することが前提だったことも理由の一つ」という。
「町民の魅力が、女川最大の特産品。それを感じに来てくださる方々で、にぎわう街になってほしい」。そう語り、佐々木さんが笑顔を見せた。
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