ゆったり、とっとり日本遺産さんぽ3~鳥取市、岩美町、若桜町、智頭町、八頭町~
因幡地方の麒麟獅子舞はゆるやかなお囃子が特徴。写真は鳥取市の江津神社 (例年4月22日に近い日曜、10月22日に近い日曜に奉納)
日本海の風が生んだ絶景と秘境 -幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地「因幡・但馬」-
雄大な鳥取砂丘や海岸に連なる奇岩、中国山地の杉林……すべて日本海から吹きつける季節風が創り上げた自然の造形美だ。人々は厳しい風の季節での無事とそれを乗り越えた感謝を胸に、幸せを呼ぶとされる麒麟獅子を舞い続けた。
麒麟獅子は、初代鳥取藩主・池田光仲が泰平の世の象徴とされる霊獣・麒麟の頭を被った獅子舞を登場させたのが始まりだという。
現在では、鳥取市を中心とする因幡地方と但馬地方(兵庫県北但西部)の約140の神社で奉納されている。赤い面、装束を身に付けた「猩々(しょうじょう)」が麒麟獅子の先導役を務めるのも特徴で、主に春・秋祭りに神社で舞われることが多い。
日本遺産に認定されたストーリーの構成文化財には、鳥取砂丘、日本海の荒波が奇勝を造り出した浦富(うらどめ)海岸、中国山地の氷ノ山後山那岐山国定公園をはじめとする自然景観、そして林業の繁栄を象徴する「石谷家住宅」や、明治時代の上層農家のたたずまいを残す格調高い建築物「太田家住宅」 などの貴重な文化財も含まれる。
冬、荒々 しい日本海も、春から秋には透き通り穏やかな表情を見せ、旅人を迎え入れる。
鳥取市へのアクセス
山陰線鳥取駅を下車/鳥取道鳥取ICから3キロ