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【和食の原点、ここにあり。】若狭の食文化を育んだ自然がここに……三方五湖

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 福井県
【和食の原点、ここにあり。】若狭の食文化を育んだ自然がここに……三方五湖

福井県南西部・常神(つねかみ)半島の根元に位置する三方(みかた)五湖。標高400メートル、梅丈(ばいじょう)岳のレインボーライン山頂公園から見渡すと、五つの湖と若狭の海、山々が織り成す360度の大パノラマが広がっていた。三方湖は淡水。水月(すいげつ)湖、久々子(くぐし)湖、菅(すが)湖は汽水湖で、日向(ひるが)湖は海水だ。湖面の色や表情が変わるのは、塩分濃度の違いという。

 

レインボー山頂公園
レインボー山頂公園のテラスから眺める日本海

目線を移せば、波静かな若狭湾にはいくつもの岬がせり出し、はるかかなた、日本海の水平線が青空に柔らかな曲線を描いている。雄大な光景だが、荒々しさはない。安らぎの光景だ。公園に設けられた天空のテラスでは、旅行客がソファやハンモックに身をゆだね、五色の湖に海と空を加えた七色のブルーを満喫していた。

若狭なる 三方の海の浜清み 
い往き還らひ 見れど飽かぬかも

――万葉集に歌われた時代と変わらぬ景色がそこにあった。

 

福井県年縞博物館
地球の7万年の歴史がわかる福井県年縞博物館

福井県年縞(ねんこう)博物館を訪れ、年縞が発見された水月湖が奇跡の湖だと知った。年縞とは水底にプランクトンや花粉が積もった地層のこと。水深34メートルの水月湖の底に生物の姿はなく、地層が崩れることがなかった。1年の厚みは0.6ミリ。湖底からボーリングで採取した年縞は45メートルに達し、館内には標本化された実物が展示されている。そこには、先史時代の富士山大噴火、大地震、温暖化、寒冷化の記録など、7万年に及ぶ地球の歴史が刻まれている。奇跡の年縞は遺物年代測定の世界基準に採用された。

 

御神島
常神半島から御神島を望む

常神半島の先端までさらに足を延ばし、御神(おんかみ)島を拝んだ。無人島には、古代の女帝・神功(じんぐう)皇后が三韓征伐出立前に暴風雨を避けるために立ち寄ったという伝説が残る。古い神社、仏閣が数多く残る若狭は神秘の国でもある。

問い合わせ 若狭湾観光連盟


(出典「旅行読売」2021年2月号)
(ウェブ掲載 2021年3月24日)

 

Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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