写真が語る終着駅の魅力(1)
伊勢奥津駅(三重/名松線)名張と松阪を結ぶ目的で建設された路線で、1935(昭和10)年に開通。名張まで延伸されないまま今日に至り、終着駅となる。単式ホームのみの構造だが、駅舎に隣接して観光案内施設があり、蒸気機関車時代の給水塔も残されている。撮影/松尾 諭
鉄道カメラマン推薦の終着駅
終着駅は鉄道の終点であり、また出発地でもあります。そんな物語を秘めた各地の終着駅の中から、特におすすめの終着駅を鉄道カメラマンが厳選しました。
間藤駅(栃木/わたらせ渓谷鐵道)
足尾銅山の旧足尾本山駅へのスイッチバック駅で、旅客列車は開業当初よりここが終着。作家・宮脇俊三が国鉄完乗を達成した駅で知られ、駅舎にゆかりの品を展示している。付近にニホンカモシカが生息し、駅でもしばしば見られる。撮影/越 信行
穴水駅(石川/のと鉄道)
ここを分岐駅として輪島駅、蛸島駅までの路線があったが、2路線が廃止され終着駅に。七尾線の運営移管前にのと穴水駅として使われていた0番ホームには、かつて活躍していたNT100形、NT800形の車両が留置されている。撮影/越 信行
女川駅(宮城/石巻線)
東日本大震災から4年の歳月を経て、2015(平成27)年に待望の復活を果たした。先代の駅と同じ1本だけのホームが、今も終着駅感を盛り上げる。新駅舎には海を一望する展望台や、かつて駅隣にあった温泉施設があり、旅人を迎えてくれる。撮影/伊藤岳志
美濃赤坂駅(岐阜/東海道線)
大垣駅から分岐する全長5㌔の通称「赤坂支線」の終点。東海道線唯一の行き止まり駅でもある。片面ホームのみの無人駅で、開業時の1919(大正8)年に建てられた木造駅舎が健在。石灰石輸送のための貨物の側線がある。撮影/谷崎 竜
明智駅(岐阜/明知鉄道)
白壁の蔵を思わせる駅舎で、大正時代の町並みを保存する「日本大正村」の玄関口。駅ホームから、線路の行き止まりに車庫を見渡せ、出入りする車両は鉄道ファンの注目の的だ。季節ごとに個性的なイベント列車も運行されている。撮影/南 正時
(出典「旅行読売」2021年4月号)
(ウェブ掲載2021年4月26日)