弘前はコーヒーの街でもあるんです
青森県弘前市で自らの名前を冠した喫茶店を経営する一方、コーヒーに関する講演や執筆を行うなど、コーヒー文化の浸透、拡大に寄与してきた。こうした功績が評価され、2018年には日本コーヒー文化学会(事務局・神戸市)から第1回「日本コーヒー文化学会賞」を贈られた。その功績の一つが、「藩士の珈琲」の再現だ。
「地元紙に連載記事を書くために全国を行脚した際、北海道稚内市に保存されていた資料から、北方警備に当たっていた弘前藩士に浮腫病の予防薬としてコーヒーが支給されていたことを知りました」と成田さん。その当時のコーヒーを再現したのが、「藩士の珈琲」だ。
「藩士の珈琲」について、成田さんは、「古文書に書かれていた当時の淹(い)れ方をそのまま再現しています。ドリップ抽出が行われる前の淹れ方なので、袋に入れたコーヒーの粉を湯に浸して振り出しながら作ります」と説明してくれた。
現在、「藩士の珈琲」は弘前市内の5店舗で提供されているが、「成田専蔵珈琲店」では、当時の作り方を体験できるようにしているという。
(旅行読売2021年6月号掲載)
(ウェブ掲載 2021年6月20日)