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SAに宿泊して宮城を快走(潟沼―鬼首―奥松島)

場所
> 仙台市、大崎市、東松島市
SAに宿泊して宮城を快走(潟沼―鬼首―奥松島)

pH2.4の強酸性湖の潟沼。天候などの条件により、エメラルドグリーンなど神秘的な色に変化する

リーズナブルに快適な旅を満喫

東京オリンピックの海外選手団が続々来日―。そんなニュースを聞くと、旅心もうずき出す。

鳴子峡や松島の佳景を眺め、心の洗濯がしたい。コロナ禍にあっても、低リスクで懐にも優しい旅ができないか。そこで思いついたのが、JRの乗車券が2割引、特急料金も1割引で、レンタカーも特別料金になる「レール&レンタカーきっぷ」を利用することだ。

クルマでの絶景巡りは、他者との接触を極力避けたいとの思いもあってのことだが、全行程を運転するのは、さすがにきつい。しかし、このお得きっぷなら、仙台までは新幹線、その先はレンタカーで動けるのでありがたい。

早朝、乗客もまばらな新幹線で仙台駅へ。到着したら小型車を借り、東北道に入る。古川ICで高速を降りてからは、国道
47号をひたすら走る。しばらくすると、道の駅の「あ・ら・伊達(だて)な道の駅」が見えてきた。休憩を兼ねて立ち寄
り、フードコートで大きなエビフライが載った「伊達さむらいカレー」を注文。大きなエビフライは戦国武将・伊達政宗の兜かぶとに付けられた「三日月」の前立てにちなんだものだ。道の駅やカレーの名は、ここ岩出山(いわでやま)に伊達政宗の居城があったことに由来する。

腹ごしらえを済ませたら、潟沼に向かう。潟沼は、魚がすめない強酸性のカルデラ湖で、湖水の色が天候などによって変化する「神秘的な湖沼」として知られている。水中の硫黄分が色の変化に関係しているようで、沼の周辺も硫黄臭が漂う。訪れた時の湖水は深い緑色に染まっていたが、エメラルドグリーンや青色、淡い乳白色に見える時もあるという。密にならない程度にクルマがやって来るのは、ここがドライブスポットになっているからだろう。

地獄谷で、吹き上がる湯気の脇の遊歩道を歩くハイカーたち

次に向かったのは、鬼首温泉。10分~20分間隔で温泉が吹き上がる「間欠(かんけつ)泉」で有名な所だが、今回は地獄谷の遊歩道を散策。すぐそばで温泉がボコボコと湧き、湯煙が漂う遊歩道を歩いていると、「地獄」というよりは、大地のエネルギーの力強さを実感できる場所と感じられた。

オニコウベスキー場周辺の高原地帯は、爽やかな風を感じながらのドライブが気持ちいい
とろとろで化粧水につかっているような、しんとろの湯

クルマの窓を開け、高原の爽やかな風を浴びながらのドライブは気持ちがよい。鳴子峡の絶景ポイント「大深沢橋」を鳴子峡レストハウス前の見み 晴はらし台で眺めてから、鳴子温泉郷の中山平温泉にある「しんとろの湯」へ。「黙浴」の張
り紙に従い、数人いた先客と言葉を交わすこともなく、pH9.3のとろとろの湯を静かに堪能した。

ここで観光を終え、築館(つきだて)ICから東北道に入って長者原(ちょうじゃはら)SAへ。ここがこの日の最終目的地、そして宿泊地でもある。

ファミリーロッジ旅籠屋・長者原SA店(E-NEXCO LODGE長者原SA店)
客室

モットーは「気軽に宿泊」

宿泊施設は、東北道長者原SA(上り線)に併設された宿泊施設「ファミリーロッジ旅籠(はたご) 屋・長者原S A 店(E-NEXCO LODGE 長者原SA店)」。ここを宿泊場所に選んだのは、翌日、松島方面へドライブするのに地理的に便利だから。そして、「懐に優しい」ことも大きな決め手となった。

ファミリーロッジ旅籠屋は、「日本にも、欧米に多くあるような、気軽に利用できるロードサイドホテルを」と、旅籠屋(本社・東京、甲斐真社長)が全国展開(2021年7月現在、77施設)。甲斐社長は「金太郎あめのよう」とおどけるが、全店を同じ規格、同じ料金体系で運営しているのが最大の特徴だ。

77施設のすべての客室は約25平方㍍の広さで統一され、横幅約1.5㍍のクイーンベッドを2台配置。全室がバス・温水洗浄便座トイレ付きで、無料でインターネットに接続できる。全77施設のうち4施設が高速道路のSA、PAにある「ハイウェイホテル」で、2020年4月にオープンした長者原SA店(全12室)もその一つ。室料は、平日の1人泊(夕食なし、朝は軽食)は5500円が基本。複数で泊まれば、割安感は大きくなる。

長者原SAのフードコートで食べられる「たん塩丼」(2021年8月現在、1280円)

長者原SA店の細野淳一支配人から、「高齢のご夫婦が青森方面から東京方面へ車で旅行する際、無理に長時間運転せずにここに泊まるというのが典型的な使われ方」と聞き、納得がいった。

夕食が付いていないため、SA内のフードコートで一番の人気メニューという「たん塩丼(テールスープ付き)」を注文。肉厚の牛タンに白髪ねぎと特製高菜が載ったボリューム満点の逸品に舌鼓を打つ。

大高森から見る奥松島の絶景

翌朝は、焼きたてのクロワッサンとコーヒーをいただいて出発。スマートICから高速を出て、国道108号経由で奥松島(大高森)へ。奥松島では遊覧船に乗り、奇岩の数々を海上から観賞した後、大高森の山頂展望台から奥松島の大パノラマを満喫した。

松島を経由して仙台駅でレンタカーを返却。レール&レンタカーきっぷとハイウェイホテルの便利さを実感して、帰途に就いた。

 

■起点までのアクセス/仙台駅へは東京駅から東北新幹線で約1時間30分~約2時間10分
■コースアドバイス/モデルコースでは、2日目に奥松島を訪ねたが、
牡鹿(おしか)半島のコバルトラインを走るコースも一案。

【施設データ】

あ・ら・伊達な道の駅 9時~18時(12月~3月は~17時)/無休/TEL:0229-73-2236

潟沼 見学自由/TEL:0229-83-3441(鳴子温泉郷観光案内所)

鬼首温泉地獄谷遊歩道 見学自由(11月末までは、土・日曜、祝日のみ)/TEL:0229-83-3441(鳴子温泉峡観光案内所)

鳴子峡見晴台 見学自由/TEL:0229-83-3441(鳴子温泉郷観光案内所)

中山平温泉しんとろの湯 9時~21時/無休/440円/TEL:0229-87-1126

奥松島遊覧船(嵯峨渓コース、所要1時間) 8時45分~16時(10月~3月は~15時)/1人2000円(催行は3人以上。ただし、6000円を支払えば1人でも運航可)/TEL:0225-88-3997


(旅行読売2021年9月号掲載)

(WEB掲載:2021年9月20日)

Writer

松本浩行 さん

東京都墨田区出身。月刊「旅行読売」編集部勤務から3年間の青森県勤務(読売新聞弘前支局)を経て、2019年11月、月刊「旅行読売」編集部に戻る。これまでに群馬県、石川県、宮城県などでも勤務した経験をもつが、今では「歌手ならりんご娘(ご当地アイドル)、山なら岩木山、果物ならリンゴ」と語る青森推しの編集長。

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