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聖徳太子が見た風景 -飛鳥・斑鳩-(2)斑鳩編

場所
> 明日香村・斑鳩町・王寺町
聖徳太子が見た風景 -飛鳥・斑鳩-(2)斑鳩編

コスモス咲く、斑鳩の秋の風景。サイクリングしていると、田園や家並みの向こうに斑鳩三塔が。1400年前が不意に顔を出す瞬間だ(写真/ピクスタ)

青年期の聖徳太子の足跡をたどる

二日目は斑鳩・法隆寺から旅を再開。法隆寺は朝8時から拝観でき、人が少ない境内は実に清々しい。門前にある法隆寺iセンターで卜部さんと合流し、レンタサイクルを借りる。

「斑鳩の里には、創建当初の法隆寺跡といわれる若草伽藍や斑鳩宮と同じ方位の”斜めの道”が今も残されています。1400年前からある道をたどりながら、聖徳太子も見た景色を楽しみましょう」

地図を頼りに藤ノ木古墳を訪ね、法隆寺の築地塀の脇や田園風景、住宅地の中を走り、重厚な甍(いらか)や五重塔、山並みを遠望しながら1400年前の斑鳩を脳内に描いていく。思った以上に知的かつアクティブなサイクリングは、聖徳太子の人生そのもののよう。

午後は信貴山(しぎさん)朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)へ。物部守屋討伐の際、この山で聖徳太子は戦勝祈願を行い毘沙門天を感得、その加護により勝利を収めた。「和の精神で国を治め、仏教で世をまとめ、能力に応じて人材を登用し、民主主義の元を作られたのが聖徳太子様です。2022年の寅年には、自らが刻まれた奥秘仏の毘沙門天王像がご開帳されます」とは総務部長の西浦寛孝さん。境内には戦いに向かう若き日の聖徳太子の像がある。傍に樹齢1500年のカヤの木があり「戦勝祈願するお姿を見ていたかもしれませんね」と西浦さん。

旅の締めくくりは明神山登山。頂上は360度の眺望が開け、飛鳥から斑鳩、信貴山、西は百舌鳥(もず)・古市古墳群の向こうに陽光に煌く海が見える。飛鳥から斑鳩に宮を移したのは、大和川の水運を利用して隋や朝鮮半島との往来を見据えていたからだともいう。国内外に思いを馳せる聖徳太子の姿を鮮明に感じたところで旅を終えた。

藤ノ木古墳

直径50メートルの円墳。未盗掘の石棺や金銅製馬具などが出土した。「被葬者は諸説ありますが、聖徳太子は被葬者が誰か知っており、この古墳を意識して法隆寺や斑鳩宮を建てたともいわれています」(卜部さん)

見学自由

柿の葉寿司

奈良に来たらぜひ食べたい伝統食が柿の葉寿司。法隆寺参道の「平宗」でテイクアウトを。サバ5個、サケ5個の10個入り1598円。

10時~16時/無休/TEL:0745-75-1110

十七条憲法が一条ずつ書かれたしおりは、手軽なお土産として人気。法隆寺iセンターで販売。1枚250円

信貴山朝護孫子寺

聖徳太子が毘沙門天を感得したのが寅年、寅日、寅の刻だったことから、寅に縁のある神として信仰されている。巨大な寅の張り子は寺のシンボル。

9時~17時/入山自由(霊宝館・戒壇巡りは別途有料)/TEL:0745-72-2277

明神山

三輪山や大和三山、飛鳥まで、大和平野が見晴らせる明神山の東の展望デッキからの眺望。

達磨寺

聖徳太子が達磨大師のために作った墓を起源とする。境内には太子の愛犬・雪丸の像がある。土・日曜、祝日は無料ガイドあり。

10時~15時/拝観無料/TEL:0745-31-2341


斑鳩モデルコース

法隆寺駅▶徒歩20分▶法隆寺▶徒歩5分▶法隆寺iセンター▶5分▶藤ノ木古墳▶2分▶斑鳩文化財センター▶20分▶法輪寺▶10分▶法起寺▶15分▶成福寺跡(伝・葦垣宮)▶10分▶法隆寺iセンター▶徒歩20分▶法隆寺駅▶電車約4分▶王寺駅▶バス約22分▶信貴大橋▶徒歩5分▶信貴山朝護孫子寺▶徒歩5分▶信貴大橋▶バス約22分▶王寺駅▶バス約15分▶明神四丁目▶徒歩40分▶明神山山頂▶徒歩30分▶明神四丁目▶バス約15分▶王寺駅

※所要時間は目安です。特に記載のないところは自転車の場合。

※明神山登山に代えて、達磨寺へは王寺駅から徒歩15分

レンタサイクル情報

法隆寺iセンター

9時~17時/1時間以内200円、以降1時間増すごとに200円/TEL:0745-74-6800

バス情報

聖徳太子ゆかりの地巡りに便利な1日フリー乗車券「聖徳太子ゆかりの里わんデイパス」が2022年3月31日まで発売中。大人500円。

起点までのアクセス

橿原神宮前駅から近鉄橿原線約25分の近鉄郡山駅下車。徒歩15分のJR郡山駅から大和路線約7分で法隆寺駅。

観光の問い合わせ

斑鳩町観光協会 TEL:0745-74-6800

王寺町観光協会 TEL:0745-33-6668

Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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