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【鉄印帳の旅】真岡鐵道

場所
【鉄印帳の旅】真岡鐵道

旅行カバンをイメージしたデザインで、地元で“スイカ”と呼ばれ親しまれるモオカ14形が走る真岡鐵道。下館駅から台地を駆け上がり、車窓から筑波山を望み、再び平地へ下るとSLを象った真岡駅が見えてきた。

真岡市中心部にある岡部記念館「金鈴荘」は、映画などに登場するスポット。明治時代前期の贅をつくした建物や回遊式日本庭園をしばし優雅な気分で巡り、駅へと戻った。

SLキューロク館
49671号機とD51 146号機を運転するほか、懐かしい鉄道車両が並ぶSLキューロク館

SLキューロク館に着くと日本で唯一動くSL9600形蒸気機関車が汽笛とともにゆっくりと走り出した。ほかにも、D51形蒸気機関車や国鉄時代活躍した気動車などが置かれ、見ているだけでも飽きない。乗車は叶わなかったが、本線ではC12形蒸気機関車と50系旧型客車が走り続けている。

 

真岡鐵道の鉄印
真岡鐵道の鉄印

現在運転手の富岡有光さんが考案した鉄印のデザインもそうした車両に由来している。ロゴマークはDLの赤、真岡鐵道の文字はSLの黒、常陸国 下野国芳賀路はモオカ14形の緑、日付は50系客車の茶をそれぞれイメージ。下側には前主力車両のモオカ63形の側面デザインを合わせている。「第三セクターでは唯一蒸気で走るSLなど、レトロな車両と懐かしい車窓風景を楽しんでほしい」と総務部の竹前直さんは話す。

 

益子 森のレストラン
益子 森のレストランでは、契約農家からその日仕入れた野菜をふんだんに使ったメニューが味わえる。

再び列車に乗って、益子焼で知られる益子へ。静かな森に佇む別荘のような雰囲気の「益子 森のレストラン」で、益子焼に盛り付けられた日替わりパスタランチ(1650円)を味わった。益子城址に整備された「益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子」では、益子焼の歴史と国内外の優れた陶芸作品に触れ、陶芸店が軒を連ねる城内坂通りを抜けて駅へ戻った。レトロとリッチな気分を一度に堪能できた旅だった。

真岡鐵道
鉄印帳の販売・鉄印の記帳は真岡駅窓口にて、9時~17時
鉄印帳2200円/鉄印の記帳料300円(乗車券の提示が必要)
TEL:0285-84-2911


(出典「旅行読売」2021年9月号)

(ウェブ掲載 2021年9月30日)



Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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