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【鉄印帳の旅】錦川鉄道

場所
【鉄印帳の旅】錦川鉄道

中国山地の莇(あざみ)ヶ岳に端を発し、広島湾へと流れ込む錦川。南へ下ったあと一端北へと流れを変え、錦町付近で宇佐川と合流する。錦川清流線は、そこから再び南へと流れだす錦川沿いを走る。

今回の旅は、錦帯橋(きんたいきょう)に近い川西駅からスタート。「清流と奏でる自然の風景」をテーマに4色のデザインが施された車両のうち、ブルー(清流)のせせらぎ号に乗車した。南河内駅付近から、右手車窓に錦川が見えてくる。南桑駅で下車し清流と列車を写真に収め、今度はイエロー(蛍の光)のきらめき号で終点の錦町駅へ。

 

錦川鉄道の鉄印
錦川鉄道の鉄印

商店街を中心にまち全体を博物館に見立てた「錦まちぐるみ博物館」をぶらり散策してから駅に戻り、鉄印を貰う。伊勢神宮の御朱印をイメージしたという印章には、てん書体で「錦川鉄道」の文字が刻まれている。御朱印集めが趣味という前社長の磯山英明さんの考案だ。
 

とことこトレイン
錦町駅から先で計画されていた岩日北線の概ね工事が完了していた約6キロを走る「とことこトレイン」

延伸工事が中断した錦町駅から雙津峡(そうづきょう)温泉駅は、観光用トロッコ遊覧車「とことこトレイン」が走る。途中、6色の光る石で装飾された「きらら夢トンネル」の幻想的な空間を抜け、宇佐川の美しい流れをぼんやりと眺めているうち終点に到着。

 

憩の家
「憩の家」は、源泉かけ流し自噴泉の日帰り入浴施設で、地元食材の料理も提供する

雙津峡温泉では「憩の家」で温泉につかり、錦寿司定食(1100円)とヤマメの塩焼き(700円)を注文。清流が育む素材を使った味は、この地域の自然の豊かさが感じられた。帰る途中、北河内駅でピンク(桜)のひだまり号とすれ違う。「これほどまで透明度の高い川の間近を走る鉄道は、日本ではほかにないと思います」と話してくれたのは同社鉄道部の杉原孝幸さん。この日は雨上がりで少し濁っていたが、今度は透き通る清流沿いを、グリーン(森林)のこもれび号で旅してみたい。

錦川鉄道
鉄印帳の販売・鉄印の記帳は錦町駅窓口で。鉄印帳販売8時15分-17時(記帳は-20時15分)
鉄印帳2 2 0 0 円/ 鉄印の記帳料300円(乗車券の提示が必要)。
TEL:0827-72-2002


(出典「旅行読売」2021年6月号)
(ウェブ掲載 2021年8月10日)




 

 

旅行読売臨時増刊 オフィシャルブック「鉄印帳の旅」好評発売中!

*2021年3月2日発売 定価1200円(税込)

Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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