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ひとり旅におすすめの温泉宿 松島一の坊

場所
> 松島町
ひとり旅におすすめの温泉宿 松島一の坊

大浴場「五大観」の露天風呂からの朝日。日の出時間を確認し、早起きして朝風呂へ

静寂の松島に包まれて、自由自在に宿時間を楽しむ

コロナ禍で頑張ってきた自分へのごほうび温泉に選んだのは宮城県、松島。みちのくひとり旅なんて、演歌の世界のようだが、俳人・松尾芭蕉も言葉を失った松島の絶景に旅心が刺激された。滞在先はオールインクルーシブを導入する「松島一の坊」。JR松島駅からチェックインに合わせて運行する無料のシャトルバスに乗りこんだ。

7000坪の敷地に広がる水上庭園は、皇居新宮殿庭園基本設計に携わった造園家・中島健氏の設計。目の前に広がる松島湾と調和し、季節ごとに花々が庭園を彩る
海の見えるラウンジにあるライブラリー。本は客室にもっていくことができる
オリジナルジェラートも

到着早々驚くのが開放的な吹き抜けのロビーとラウンジ。ラウンジの先には優雅な水上庭園があり、さらに松島湾が広がる。まずここからの眺めに気分が盛り上がる。チェックインではオールインクルーシブの説明がある。3年前から導入したこのステイスタイルは、ラウンジや食事の際の飲み物、おやつ、イベント、アクティビティーが無料で楽しめるというもの。お財布を気にせずドリンクやスイーツなど、好きなものを自由に味わえるので、気兼ねなく滞在できる。

デラックスツイン。デスクもありワ―ケーションも可能
フロア専用のプライベートライブラリー。隠れ家のよう

客室はツインや和室、半露天風呂付きなど全12タイプがある。ひとり泊にちょうどいいのが最上階に位置する「デラックスツイン」。シンプルなベッドルームの奥、大きな窓の先には穏やかな海と点在する島々が広がる。ひとり静かに、刻々と変わりゆく佳景に包まれていたくなる。

大きな屋根が特徴的な露天風呂「八百八島」。温泉はとろりとやさしい肌ざわりで、すべすべした湯上がり感も格別
リラクゼーション施設「庭がSPA」には大浴場、岩塩岩盤浴やサウナなどがあり、ここでもぜいたくなひとり時間が過ごせる

朝も夕も肌を潤す温泉へ

松島温泉は2008年に開湯した新しい天然温泉である。地下1500メートルから湧き出す湯はアルカリ性単純温泉で、肌をしっとりと潤す。大浴場は2か所あり、最上階の「八百八島」は、はるか遠くまで松島を見晴らす趣たっぷりの露天風呂。屋根付きなので、雨の日の風情も堪能できる。もうひとつが露天風呂付き大浴場「五大観」。ともに男女入れ替え制になっている。夕景の松島もいいが、なんといっても日の出の時間に合わせて湯あみを楽しみたい。水平線から朝日が上ると、島々の輪郭がくっきりと浮かび上がり、やがて海面がキラキラと輝きだす。早起きをする価値がある体験だ。

ラウンジでは自由に湯上がりドリンクが味わえる

夕食までの時間は海の見えるラウンジで寛ぎたい。湯上がりには格別の生ビールをはじめ、スパークリングワイン、挽き立てのコーヒーやビネガードリンク、さらにオリジナルのジェラートもそろい、目移りするほど。ひとりという解放感、そして心地よい温泉、ああ、なんとぜいたくな気分だろう。

できたての料理を味わうことができる「料理長厨房ビュッフェ 青海波」

「現在、コロナ禍ということで、宿泊人数を制限しています。レストランもゆったりとお席の間隔をあけていますので、安心して自慢の料理を楽しんでください」と話す、広報の佐々木美智子さん。夕食はビュッフェだが、まるでコース料理のような構成で、前菜からデザートまで自分好みに作りたてのひと皿を組み立てることができる。

旬の食材を使った握り寿司。ワインや地酒、生ビール、本格焼酎など酒類も豊富、料理とのマリアージュを
和食だけでなく、本格的なグリルや洋食も
手作りケーキのほか、和菓子や季節のフルーツも用意

スパークリングワインで喉を潤し、前菜、サラダでスタート。地酒とともに目の前で握ってくれる活魚のお寿司やお造りを味わい、気仙沼産フカヒレの茶わん蒸しに舌鼓を打つ。旬の魚介がふんだんに用意され、夏にはウニも登場するそうだ。メインは炭火で焼いた熟成厚切り牛たんや、国産黒毛和牛のグリルをワインとともに楽しむ。焼きたてを何度もおかわりしたくなるのだが、ほかに天ぷらやせいろご飯も味わいたい。胃袋がもうひとつ欲しいと思いながら、最後は別腹のデザートへ。

月夜のラウンジコンサートでは、一流の演奏家による親しみやすい名曲の調べを
満月のころには、海に月の道ができるという。まさに非日常の世界

ラウンジでは毎日20時開催の生演奏が始まるところ。夜のとばりが下り、月の光が美しい。そう、松島の月景色は、芭蕉の心を捉えたことで知られる。月と島々と海が織りなす幻想的な世界と共鳴するようなプロの生演奏にしばし酔いしれる。

ガラス工芸の美に出会う

ぐっすり眠った翌日、朝食は和洋をそろえるビュッフェ。鉄板焼きフレンチトーストと、松島トマトのフレッシュジュースを選んだのに、和食も気になってまた食べ過ぎてしまった。食後は水上庭園を散歩し、隣接する藤田喬平ガラス美術館を訪ねる。こちらの入館料もオールインクルーシブに含まれていて、得した気分だ。藤田喬平は、色ガラスと金箔を混ぜた飾筥(かざりばこ)で独自の世界観を作り出したガラス工芸家の第一人者。美術館では繊細な飾筥やモダンな花器など多くの作品が展示され、ガラス工芸の醍醐味にふれることができる。ミュージアムショップには使ってみたいと思うガラスの器やアクセサリー類が並び、自分へのお土産も入手できる。

「藤田喬平ガラス美術館」では静かに作品と対峙し、本物が持つ美しさを堪能。ミュージアムショップも立ち寄りたい

チェックアウト後は、瑞巌寺など伊達家ゆかりのスポットを巡ったり、2020年10月に開業した新施設「松島離宮」にも立ち寄ってみたい。観光船で塩釜へ渡り、絶品の寿司を味わうのも楽しそうだ。松島を楽しみ尽くすには1泊では足りない!と、宿を後にした。

松島一の坊

ひとり泊料金(1泊2食付き)

平日:3万7150円~/休前日:4万4150円~

条件 通年可

客室 デラックスツイン(約45平方メートルなど)

食事 夕食・朝食ともにレストラン

貸し切り風呂 なし

TEL:0570-05-0240

松島町高城浜1-4

交通 東北新幹線仙台駅で仙石線乗り換え35分の松島海岸駅から徒歩20分(松島海岸駅、松島駅から送迎あり。予約不要)/三陸道松島海岸ICから県道144号経由4.6キロ

松島一の坊公式サイト

Writer

たびよみ編集部 さん

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