人間国宝が作った器で一流の料理を味わう
「工藝ダイニング」
焼き物のほか、木、ガラス、金属などさまざまな素材で作られる、伝統技法を用いた「器」は、実用品である一方、日本を代表する芸術品でもある。美しい器を用いて一流の料理や酒を味わおうという催しが、2019年度から始まった「工藝ダイニング」だ。
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東京オリンピック・パラリンピックを契機に、「日本の美」を国内外に発信しようと始まったプロジェクトが「日本博」だ。工藝ダイニングは、その関連企画である「体験型プログラム」として2019年度から各地で開催されてきた。
プログラムは、工芸と和食を二本柱に据え、人間国宝や若手作家が制作した器を鑑賞するとともに、作品である器を実際に使用して和食を楽しんでもらおうというもの。鑑賞するだけでは知ることができない伝統工芸の「用の美」を、プログラム参加者に体感してもらう段取りだ。
食事会では、舌で「日本文化」を感じてもらおうと、有機農法を中心とした地産地消の料理や老舗料亭による郷土料理が提供される。開催回によっては、無形文化遺産である歌舞伎などの伝統芸能鑑賞などがプログラムに組み込まれることもある。
2019年度には明治神宮桃林荘(東京)と下鴨神社(京都)で、20年度には金沢市(石川)の金城樓と熱海市(静岡)のMOA美術館で開催された。3年度目となる21年度は、11月下旬にMOA美術館、そして来年2月には福岡市の「料亭 嵯峨野」での開催が予定されている。
企画を監修したMOA美術館の内田篤呉館長は、「工藝ダイニングで、伝統工芸を使う楽しさを体験してほしい」と話している。
人間国宝の語らいと食事会 ―来年2月5日、福岡市で
直近の工藝ダイニングは2022年2月5日、福岡市内の「料亭 嵯峨野」で開かれる。
陶芸家の今泉今右衛門氏、福島善三氏、染織作家の鈴田滋人氏という、九州在住の重要無形文化財保持者(人間国宝)3人による「トークイベント(進行役は、人間国宝の漆芸家・室瀬和美氏)」と、伝統工芸品を使用した食事会、九州地方で活躍する作家の作品展示鑑賞を組み合わせた催しだ。
食事会では今泉、福島両氏制作の酒器が使用され、参加者はそれを土産として持ち帰ることができる。伝統技法を極めた人間国宝たちによる芸術談議に耳を傾け、実際にその作品を使用できるというのは、またとない機会となるだろう。食事会で提供される食事は、「料亭 嵯峨野」の藤井敬たか洸ひろ料理長が腕を振るう。
催しは現地集合で、旅行代金は1人12万円。
問い合わせは、読売旅行・工藝ダイニング事務局 TEL:090-9134-7503
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■工藝ダイニング「福岡会場」のプログラム
日程:2021年2月5日(土)
場所:料亭 嵯峨野(ミシュランガイド2つ星)福岡県福岡市博多区住吉2-21-19
16:00~17:00 工芸作品展示販売
17:00~18:00 人間国宝トークイベント
18:00~20:00 食事会
20:00~20:30 工芸作品展示販売