たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

【旅する喫茶店】レストラン&カフェ 浪漫座(佐賀)

場所
> 佐賀市
【旅する喫茶店】レストラン&カフェ 浪漫座(佐賀)

旧古賀銀行は九州五大銀行の一つ。現在の建物は大正全盛期のものに復元されている

 

全盛期当時の旧古賀銀行の面影が漂う

「地元の音楽家が世界に羽ばたくきっかけの場所にしたい」と、佐賀市内でライブハウスを営んでいた角田章裕さん(すみだあきひろさん、現在の浪漫座店長)は考えた。音楽を目指す若者たちに、少しでも良い環境を提供できればと思ったのだ。

浪漫座(ろまんざ)の建物の由緒を説明しよう。両替商の古賀善平は1885年に古賀銀行を設立。1906年に社屋を新築する。繁栄は続き1916年には増築するまでになったが、大正中期以降の慢性的な不況によって業績は悪化、大正末期に休業を余儀なくされる。2階に回廊を備えた社屋も、その後は商工会議所などに使用されていた。

転機は2005年に訪れる。旧古賀銀行社屋の新たな使用プランが公募され、角田さんの企画が採用されたのだ。浪漫座のオープンである。

内観
音響効果抜群の館内では随時コンサートを開催

歴史ある建造物で楽しむコーヒーやケーキ類、地元名物も提供する洋風ランチタイム。コンサートも随時開催され、吹き抜けの高い天井は楽器の音に深みを加える。

「ジャズサックス奏者の渡辺貞夫さんも、反響の良さを褒めてくださいました」と、角田さん。遠来の客人には、おいしい料理と優雅な時間を。地元の音楽家には、演奏の場を……。角田さんの夢に、まだまだ終わりはない。

文・写真/篠遠 泉

メニュー2
ローストビーフ使用の佐賀のB級グルメ、シシリアンライス
メニュー1
ビターチョコを使った濃厚なフォンダンショコラグラン

レストラン&カフェ 浪漫座

住所:佐賀県佐賀市柳町2-9

交通:長崎線佐賀駅から徒歩30分

TEL:0952-24-4883

(出典 「旅行読売」2022年3月号)

(ウェブ掲載 2022年3月4日)


Writer

篠遠泉 さん

1956年、東京生まれ。出版社勤務を経て旅行記者、レジャー産業コンサルタントとして活動。得意分野は温泉、クルーズ、アジア圏など。共著やプロデュースに『ぶくぶく自噴泉巡り』『地中海クルーズ完全ガイド』(以上、山と溪谷社)など多数。

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています