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器のふるさとへ 砥部焼

場所
> 砥部町
器のふるさとへ 砥部焼

丈夫で料理を引き立てる そろえたくなる日常の器

砥部焼(とべやき)の良さは、使ってみるとよくわかる。磁器にしては厚みと重さがあって丈夫で、わが家の器は10年以上ほぼ毎日使っていても欠けたり割れたりしたことがない。あくまで料理の引き立て役に徹するさり気ない染付もいい。

砥部焼といえば呉須(ごす=酸化コバルトを主成分とする青藍色を出す顔料) や赤絵で描かれるデフォルメされた唐草文や太陽文が有名だが、古くは鉄絵や有田焼のような精緻な染付、極彩色の錦絵なども作られた。約240年前から磁器を作り始める以前は陶器の里であり、時代とともに大きく変化した窯場である。

現在は町内に約100軒の窯元があり、細い坂道が入り組む山裾の土地に陶房が点在している。観光地というより生活と仕事が溶け合った静かな窯場の雰囲気だが、中には店舗併設の窯元や歴史資料を展示する砥部焼伝統産業会館、580枚の陶板を埋め込んだ散策路などもあるので、店舗の位置を確認しながらのんびり歩きたい。

買い物や作陶体験には、約80の窯元の作品を販売する砥部焼観光センター 炎の里が便利だ。道後温泉や松山市内にも砥部焼販売店は数多く、観光も併せて楽しみたい。

料理映えする染付の器が多く、県内の飲食店でも砥部焼の器をよくみかける

交通:伊予鉄道松山市駅から伊予鉄バス砥部線(砥部大岩橋・砥部断層口行き)約45分、砥部焼伝統産業会館前下車

問い合わせ:砥部町観光協会(砥部町商工観光課内) TEL:089-962-7288


(旅行読売2022年1月号掲載)

(WEB掲載:2022年3月26日)


Writer

春日明子 さん

1979年生まれ、神奈川県出身。会社員時代に釣りに目覚め、いつの間にか釣り新聞の編集者となる。編集プロダクションにて旅行雑誌やコーヒー専門誌、機内誌を中心に編集・執筆活動を続けたのち、鮭釣りに訪れた北海道で人生の伴侶を釣り上げ、2016年に別海町へ移住。酪農地帯の真ん中で原稿を書く。

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