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【文化財の宿】お伊勢参りの旧街道沿いに立つ 麻吉旅館(2)

場所
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> 伊勢市
【文化財の宿】お伊勢参りの旧街道沿いに立つ 麻吉旅館(2)

登録有形文化財の土蔵は宿泊者向けの資料館になっている

 

『東海道中膝栗毛』にも登場した歴史的な旅館

【文化財の宿】お伊勢参りの旧街道沿いに立つ 麻吉旅館(1)から続く

資料が残っておらず、詳しい歴史はわからない。伊勢市教育委員会作成の案内板と伊勢古市参宮街道資料館の解説によれば、麻吉旅館は、元は「麻吉料理店」と呼ばれ明治期では珍しい3層楼の建物で、伊勢音頭の舞台を持ち、常時30人の芸妓を抱える大料理店だったという。1782年の「古市街並図」に名前があり、1800年代前半の滑稽本『東海道中膝栗毛』にも登場するため、創業200年とうたっている。

「酒宴を開く団体客は少なくなりましたが、毎年決まった時期に参拝に来られる会社の方、グループの方がいらっしゃいます」と上田さん。変わらないものもあるということか。それでも、「今は静けさを求めていらっしゃる個人客の方が多い印象です。10組中の7、8組は建物に興味があるようで館内巡りをされています」

この日の夕食はマダイの柚庵(ゆうあん)焼きやイサキの煮付けなど魚料理
休憩室のレトロな色付きのガラス窓
近くにある伊勢古市参宮街道資料館は往時の古市の写真を展示

古い宿で聞こえてくる音に耳を澄ます

もちろん私も蔵内の資料室を含め巡った。古い日本建築は音の響き方が違う。板の間を踏む時のきしむ音、格子(こうし)戸の外から聞こえる石段の数を数える子どもたちの声、ヒバリのさえずり。夜は布団に横になりながら、どこかから三味線や伊勢音頭の名調子が聞こえてこないか耳を澄ましてみたが、聞こえてきたのは、列車の汽笛と雨垂れの音だけだった。

文/福﨑圭介 写真/宮川 透ほか

玄関の木札に「内大臣閣下御旅館」とある
聚遠楼の部屋から眺める五十鈴川団地と朝熊山

立ち寄りたい店

豚捨 外宮前店

明治後期の1909年創業の精肉店の食事処で、店名は豚を飼っていた創業者・森捨吉のあだ名から付いた。参宮線伊勢市駅から徒歩5分の外宮前店のほか、内宮のおかげ横丁店などがある。人気は、甘いしょうゆだれで味付けした国産黒毛和牛の牛丼(並)1000円、伊勢牛を使った牛丼(上)1600円。テイクアウトの揚げたての牛肉の豚捨コロッケ120円も名物。土産の冷凍コロッケもある。

■11時~14時30分、17時~20時(テイクアウトは休憩なし)/木曜休/TEL0596・25・1129(※料金や営業時間は掲載時。最新のデータはホームページなどで確認してください)

紅ショウガとみそ汁が付く牛丼。写真は牛丼(上)

麻吉旅館

住所:三重県伊勢市中之町109-3

交通:参宮線・近鉄山田線伊勢市駅からバス11分、中之町下車すぐ/伊勢道伊勢西ICから1.3㌔

料金:1泊2食1万3800円~、1泊朝食9000円~、素泊まり8000円~(2人1室利用。空いていれば、ひとり泊可。要問い合わせ)※掲載時の料金。最新のデータはホームページなどで確認してください。

部屋:トイレ付き10畳和室など(全6室、バス付きも4室あり) 

TEL:0596-22-4101

(出典:「旅行読売」2022年5月号)

(WEB掲載:2022年7月22日)


Writer

福崎圭介 さん

新潟県生まれ。広告制作や書籍編集などを経て月刊「旅行読売」編集部へ。編集部では、連載「旅する喫茶店」「駅舎のある風景」などを担当。旅先で喫茶店をチェックする習性があり、泊まりは湯治場風情の残る源泉かけ流しの温泉宿が好み。最近はリノベーションや地域再生に興味がある。趣味は映画・海外ドラマ鑑賞。

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