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【鉄印帳の旅】伊勢鉄道

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【鉄印帳の旅】伊勢鉄道

伊勢線は、1973年に河原田?津間の短絡線として開業、87年から伊勢鉄道が引き継ぎ運行している。JRの特急や快速も乗り入れているが、今回は四日市駅から普通列車で旅に出かけた。

 

伊勢鉄道の鉄印
伊勢鉄道の鉄印

まずは記帳するために鈴鹿駅で下車。鉄印は地元の伝統工芸である伊勢型紙の技法を用いている。茶処の鈴鹿をイメージした緑色の背景には、三重県の三本線と三重の花(ハナショウブ)・木(神宮スギ)・鳥(シロチドリ)・動物(カモシカ)が描かれている。その上に社名とオリジナルキャラクターの「いせまるくん」をデザインしたのが伊勢鉄道の鉄印だ。「手の込んだものだと知ってもらい、伊勢鉄道沿線をじっくり訪ねてほしい」と同社の冨澤康茂さんは話す。

 

新玉亭の上丼
新玉亭の上丼

沿線は高架や盛土区間が多くて眺めが良く、鈴鹿サーキットや鈴鹿山脈を見ながら進んでいく。途中、東一身田駅で下車し、三重県初の国宝建築物・高田本山専修寺の参拝と、寺内町に残る古い町並みを散策してから、津駅に向った。

駅からバスで市中心部へ。築城の名人と呼ばれた藤堂高虎が改修した津城跡の石垣に圧倒された後、津市民のソウルフードのうなぎを食べに新玉亭に立ち寄る。外はパリッと中はふんわりとした蒲焼きが載った上丼(2750円)を味わった。

 

鈴鹿市伝統産業会館
伊勢型紙などの資料を展示する鈴鹿市伝統産業会館

帰りは近鉄線鼓ヶ浦駅から、鉄印の製作を担った鈴鹿市伝統産業会館へ。伊勢型紙引彫りの小林満さんと道具彫りの兼子吉生さん、2人の型彫師が彫った型紙3枚を、1枚1枚和紙に刷っていくという。その緻密さを目の当たりにして、伊勢鉄道の鉄印の奥深さを肌で感じた。

鉄印帳の販売・鉄印の記帳は鈴鹿駅窓口にて、7時50分~16時30分(途中休憩あり)・無休
鉄印帳2200円/鉄印の記帳料300円~(乗車券の提示が必要)
TEL:059-383-2112(伊勢鉄道株式会社)

(2022年「旅行読売4月号」より)

(WEB掲載:2022年5月2日)

 





Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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