【お得きっぷで夏旅へ】東海エリアの5社の鉄印をお得にゲット(2)
恵那駅を出た明知鉄道の列車は、林間の勾配を岩村盆地に向かって駆け上がっていく
趣向を凝らした鉄印デザイン
翌日は3路線目となる明知鉄道からスタート。車窓に山あいの田園が広がるが、間近に棚田が見られる列車は珍しい。中でも阿木(あぎ)―飯羽間(いいばま)駅間で遠望する岩村盆地の富田地区の風景は「農村景観日本一」とも呼ばれ、その日本の原風景のような美しさに癒やされる。
終点の明智駅では通常版のほか、駅限定版、季節の手書き版など種類豊富な中から鉄印を選べる。駅舎は、周辺に残る大正期の建物を保存する日本大正村にちなんで、大正ロマン風のしゃれた造りだ。
恵那駅から中央線で高蔵寺(こうぞうじ)駅に出て、4路線目の愛知環状鉄道へ。高架や盛土区間が長く、特に保見(ほみ)駅から四郷(しごう)駅にかけて一面に広がる田んぼを見下ろす風景は爽快だ。鉄印は愛知県の形の上に、愛知環状鉄道と書かれた書き置きタイプで、日付入りの丸印を押す。
文化財が数多く残る天竜浜名湖鉄道
終点の岡崎駅で東海道線に乗り、途中豊橋駅中央売店で「お好み稲荷」を購入してから、新所原(しんじょはら)駅で5路線目の天竜浜名湖鉄道(天浜線)へ。
車窓には、知波田(ちばた)駅を過ぎた辺りから進行右手に浜名湖が見え隠れする。鉄印がもらえる天竜二俣駅は国の登録有形文化財に登録されている。開業当時の面影を色濃く残す駅舎やプラットホームを見るのも楽しみだ。レトロな木造駅舎のほか、転車台や運転区事務室などが今も現役で使われている。
天浜線では、社長自ら記帳する手書き版のほか、さまざまな企画ものの書き置き版をそろえる。季節・数量限定版も多く、レアな鉄印を集められるのが魅力だ。
遠江一宮(とおとうみいちのみや)駅や遠州森(えんしゅうもり)駅など、ノスタルジックな雰囲気の駅舎を眺めながら掛川駅まで出て、東海道新幹線で熱海駅へ戻る。
5社の鉄印を一気に集められ、車窓も存分に楽しめる列車旅に、お得なきっぷを使ってこの夏出かけてみてほしい。
文・写真/越 信行
●モデルコース
【1日目】
熱海
↓ 8:10発 東海道新幹線名古屋行きこだま705号
名古屋
↓ 10:06着/10:15発 東海道線大垣行き特別快速
岐阜
↓ 10:33着/10:45発 高山線多治見行き
美濃太田
↓ 11:18着/11:34発 長良川鉄道北濃行き
郡上八幡(鉄印)
↓ 12:50着/13:27発 長良川鉄道美濃太田行き
美濃太田
↓ 14:45着/14:55発 高山線岐阜行き
岐阜
↓ 15:33着/15:49発 米原行き快速
大垣
↓ 16:02着/16:41発 樽見鉄道樽見行き
本巣(鉄印)
↓ 17:07着/17:59発 樽見鉄道大垣行き
大垣
↓ 18:27着/18:40発 東海道線豊橋行き新快速
名古屋
↓ 19:12着/19:40発 中央線長野行き特急しなの25号
恵那 20:23着
【2日目】
恵那
↓ 6:43発 明知鉄道明智行き
明智(鉄印)
↓ 7:32着/8:13発 明知鉄道恵那行き
恵那
↓ 9:03着/9:28発 中央線名古屋行き快速
高蔵寺
↓ 10:07着/10:15発 愛知環状鉄道岡崎行き
三河豊田(鉄印)
↓ 11:04着/11:37発 愛知環状鉄道岡崎行き
岡崎
↓ 12:03着/12:17発 東海総泉豊橋行き新快速
豊橋
↓ 12:39着/13:07発 東海道線浜松行き
新所原
↓ 13:17着/13:29発 天竜浜名湖鉄道掛川行き
天竜二俣(鉄印)
↓14:41着/15:44発 天竜浜名湖鉄道掛川行き
掛川
↓16:32着/17:10発 東海道新幹線東京行きこだま736号
熱海 18:01着
※土曜、休日用ダイヤ。
※時刻は2022年5月現在のものです。
土・日曜と祝日のうちの連続2日間、JR東海および在来線駅に隣接する16私鉄の普通・快速列車の普通車自由席に乗り放題。在来線特急列車は回数に制限なく、東海道新幹線(熱海-米原駅間)は「ひかり」「 こだま」に4回まで乗車可(別途特急券が必要)。フリーエリア内のJR東海の主な駅や旅行会社で、有効開始日の1日目まで販売。16私鉄の窓口等では販売していない。
期間:通年購入可能だが、利用不可期間(4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日)がある。
TEL:JR東海テレフォンセンター 050-3772-3910
明知鉄道明智駅窓口 5時~22時/無休/記帳料300円~/TEL:0573-54-4101
愛知環状鉄道三河豊田駅窓口 始発~終電/無休/記帳料300円/TEL:0565-33-2931
天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅売店 9時~16時/無休/記帳料300円~/TEL:053-925-2276
※きっぷの内容、各鉄道の営業時間と料金は掲載時のものです。ホームページなどで最新のデータをご確認ください。
(出典:「旅行読売」2022年7月号)
(WEB掲載:2022年8月23日)