【ロープウェイで夏絶景へ】YOKOHAMA AIR CABIN
キャビンや駅の照明デザインは、横浜ベイブリッジなど都市空間のライトアップを手掛けてきた照明デザイナーの石井幹子さんが担当
横浜みなとみらいの夜空に浮かぶ
「日本初、世界最先端の都市型循環式ロープウェイ」をうたうヨコハマエアキャビンが、横浜市のみなとみらいエリアで2021年4月、運行を始めた。桜木町駅前から汽車道沿いの運河上に支柱3本が立ち、横浜ワールドポーターズ前の運河パークまで架線されていて、コンパクトな8人乗りのキャビンが片道約5分で行き来している。
ロープウェイと聞くと、山に上る四角いゴンドラの姿を思い描くが、ヨコハマエアキャビンは大都市の地上10~40メートルの間を運行しており、しかも夜に輝くフィルム型フルカラーLEDを搭載した丸みのある近未来的な姿は、従来のイメージを覆すものだ。
「都市型ロープウェイはロンドンなど海外では運行しており、都市空間を有効活用できるエコな乗り物として近年注目されています」と、運営会社の泉陽興業の竹原雄一さん。泉陽興業は2017年の横浜市の「まちを楽しむ多彩な交通の充実」に向けた公募に手を挙げ、この施設を実現させた。
同社は1989年開催の横浜博覧会のアミューズメント施設を引き継ぎ、遊園地「よこはまコスモワールド」を運営している。
「みなとみらいの風景を定点で見るビュースポットはあっても、移動しながら移り変わる景色を空から眺められるのはロープウェイしかありません。空中さんぽをお楽しみください」(竹原さん)
空からランドマークタワーや大観覧車を眺める
夜、桜木町駅前から乗った。車が行き交う道路を越えると、運河の上に出て高度を上げる。左にランドマークタワーとライトアップされた帆船日本丸、よこはまコスモワールドの大観覧車のイルミネーションが輝き、右に横浜ベイブリッジが見えた。眼下には廃線跡を遊歩道にした汽車道が照明に縁取られている。透明の箱に乗り夜空に浮いているような浮遊感を感じていると、終点に到着した。
移動手段というより都市の眺望を楽しむ乗り物感覚で人気を呼んでいる。
文・写真/福﨑圭介
YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマエアキャビン)
全長:片道630㍍ 高低差:26.5㍍ 最大勾配:13度
最高運転速度:秒速4.5メートル 運行開始:2021年 所要時間:5分
交通:横浜駅から京浜東北線・根岸線3分の桜木町駅下車すぐ/首都高速横羽線みなとみらい出入口から1キロ(専用駐車場なし)
料金:片道1000円、往復1800円(大観覧車とのセット券は片道1500円、往復2300円)
営業:10時〜22時(時短営業の場合あり) /不定休(※料金と営業は掲載時のものです。最新のデータは公式ホームページなどをご確認ください)
TEL:045-319-4931
(出典:「旅行読売」2022年8月号)
(WEB掲載:2022年8月31日)