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【東北の春を見つけに】復興への道のりを列車でたどり、防災の大切さを改めて意識する 三陸鉄道震災学習列車(2)

場所
> 釜石市、宮古市
【東北の春を見つけに】復興への道のりを列車でたどり、防災の大切さを改めて意識する 三陸鉄道震災学習列車(2)

津波遺構たろう観光ホテルは、津波で6階建ての建物の1、2階部分が破壊され、4階まで浸水した

巨大防潮堤の町の歴史といま

【東北の春を見つけに】復興への道のりを列車でたどり、防災の大切さを改めて意識する 三陸鉄道震災学習列車(1)から続く

降車後は田老(たろう)地区を訪れてみよう。津波は〝万里の長城〟と呼ばれた高さ10メートルの長大な防潮堤を越え、甚大な被害をもたらした。

善助屋食堂は津波で被災した後、仮設店舗を経て道の駅たろうの敷地内で営業を開始。どんこ唐揚げ丼やわかめラーメンなど三陸ならではの味が楽しめる。

2025年6月に開館した宮古市災害資料伝承館は、地震や津波など市内を襲った災害について約130点の資料を展示し、11月には入館者が1万人を超えた。館長の高岩将洋さんは「各地で災害が起こり、関心を持つ人が訪れたのでは」と話す。

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田老地区には昭和三陸津波の翌年の1934年から79年までに整備された第1~3の三つの防潮堤と、震災後に新設した防潮堤がある。第1〜3防潮堤は高さ10メートル

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新防潮堤は14.7メートルの高さ

最後に防潮堤と津波遺構たろう観光ホテルへ。巨大防潮堤に立つと津波の脅威を感じ、津波遺構のホテルを前にすると津波の破壊力を思い知らされる。宿は15年に渚亭たろう庵として高台に新築移転した。三陸の魚介類を使ったフレンチシェフの創作料理を味わいながら、復興への道のりに思いをはせ、防災への意識を新たにした。

渚亭たろう庵

全10室で露天風呂付き。食事は個室で楽しめる。屋上には太平洋を一望できる天望露天風呂と天望貸切風呂がある。1泊2食3万5000円〜。TEL:0193-87-2002

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渚亭たろう庵。被災した旧ホテルから車で3分ほどの高台に移転して営業する

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屋上の天望露天風呂しぶき。客室や屋上の風呂は温泉ではないが、旅の疲れを癒やせる

宮古観光文化交流協会が事務局となる「三陸海岸魚彩王国」では、26年2月1日~4月12日に「三陸ぜいたくざんまい宿泊プラン」を実施。渚亭たろう庵など9軒のホテル・旅館に宿泊すると、ゆでたての毛ガニなどが付いてくる。

ここにも立ち寄りたい


宮古市災害資料伝承館

展示室では田老防潮堤や宮古の津波の歴史、震災の被害、復興状況などについてプロジェクションマッピングや映像等を用いて紹介。多目的室では風水害や大火などの災害の資料も展示。3月には震災関連の企画展を予定している。
■9〜17時、月曜(祝日の場合は翌営業日)、年末年始休/三陸鉄道リアス線新田老駅から徒歩5分/ 宮古市田老館が森129 - 2/TEL:0193-65-6852

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エントランスホールには、震災の津波で破壊された道路案内板も展示している

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宮古市内では初めてオープンした伝承館

善助屋食堂

名物のどんこ唐揚げ丼は10年に三陸鉄道「駅―1グルメ」として考案。白身のエゾアイナメを唐揚げにしてしょうゆベースのタレを合わせ、青じそを振ったご飯にのせる。真崎わかめが盛り付けられたわかめラーメンとのセットもおすすめ。
■11時30分〜15時、夕方は予約のみ営業。水曜、年末年始休、不定休あり/三陸鉄道リアス線新田老駅から徒歩8分/宮古市田老2-5-1/TEL:0193-87-2054

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どんこ唐揚げ丼はみそ汁付き1050円、わかめスープ付き1080円、わかめラーメンとのセットは1450円

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16年に現在地で営業をスタート。台風19号の際は店に土砂が流れ込んだ

文/堀内志保 写真/堀内 孝ほか


【モデルコース】

鵜住居駅
 ↓ 震災学習列車1時間15分
宮古駅
 ↓ 三陸鉄道リアス線20分
新田老駅
 ↓ 徒歩8分
善助屋食堂
 ↓ 徒歩6分
宮古市災害資料伝承館
 ↓ 徒歩12分
田老防潮堤
 ↓ 徒歩13分 
津波遺構たろう観光ホテル
 ↓ 徒歩18分
渚亭たろう庵

|ツアー情報|

三陸鉄道震災学習列車

震災の記憶や体験を語り継ごうと、2012年から運行。団体は貸し切りで、田野畑―久慈駅間、鵜住居―宮古駅間、盛―釜石駅間の片道。料金は一般車両5万300円~で要予約。個人参加型もあり、次回は3月1日、8日。宮古―釜石駅間の片道で、料金は3000円、要予約。個人参加型の問い合わせは、TEL:0193-62-2215(三陸鉄道旅客営業部)

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※記載内容は掲載時のデータです。

(出典:旅行読売2026年3月号)
(Web掲載:2026年2月14日)


Writer

堀内志保 さん

埼玉県生まれ。1999年から2年あまり社会人類学の調査でアフリカ大陸の沖に浮かぶマダガスカル島に滞在。『マダガスカルを知るための62章』(明石書店)では、市場と割礼祭の章を担当した。2003年から宮城県に住み、写真家の夫とともに東北各地の自然や歴史、食、温泉、手仕事などに触れ、新聞や雑誌に記事やエッセイを発表している。

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