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【鉄印帳の旅】三陸鉄道

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【鉄印帳の旅】三陸鉄道

冬期はこたつ列車も運行する三陸鉄道

 

“あまちゃん”の舞台・三陸鉄道へ鉄印帳の旅

岩手県の沿岸部を走る三陸鉄道は、日本初の第三セクター鉄道として1984年に開業。東日本大震災で不通となったJRR山田線の一部を2019年に引き継ぎ、久慈(くじ)駅〜盛(さかり)駅間の163キロを結ぶ日本最長の第三セクター鉄道・リアス線になった。

旅は盛駅から。旧南リアス線の区間はリアス海岸にせり出した尾根を何本ものトンネルで抜け、谷を越えるところで美しい太平洋を望む。

平田(へいた)駅から路線バスで釜石市立鉄の歴史館に行き、製鉄業で栄えてきた釜石の歴史に触れてから釜石駅へ。

旧JR山田線区間に入ると、両石漁港や片寄せ波の浜で知られる浪板海岸、波が穏やかで海の十和田湖とも称される山田湾などを見ながら進んで行く。昼食は、陸中山田駅近くにある地元で人気の釜揚げ屋で、大粒の牡蠣(かき)天が乗った天ぷらうどん(800円)を味わった。

釜揚げ屋の天ぷらうどん

陸中山田駅〜豊間根(とよまね)駅間にある祭神峠(さいのかみとうげ)を越え、サケの遡上(そじょう)で知られる津軽石(つがるいし)川沿いを走って行くと、鉄印がもらえる宮古駅に到着した。

現在、三陸鉄道の鉄印は「第三セクター鉄道日本最長」の文字の入ったオリジナル版と、桃鉄コラボ版の2種類。来年4月に迎える開業40周年に合わせ記念版が発売予定という。「冬期間はこたつ列車も運行します。地元の海の幸を堪能いただき三陸の風景を楽しみながら、ぜひ鉄印も」とは旅客営業部長の橋上和司さん。

三陸鉄道の鉄印

宮古で1泊し翌日は、トンネルが連続する旧北リアス線区間を北上。途中、島越(しまのこし)駅では三陸海岸屈指の景勝地・北山崎断崖のクルーズ、堀内(ほりない)駅ではホームから太平洋を望むなどして終着駅の久慈駅へ。

NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地となった小袖海女(あま)センターで、この道50年の欠畑(かけはた)きわ子さんから北限の海女の生い立ちを伺い、三陸鉄道縦断の旅を締め括った。

北限の海女の歴史を紹介している小袖海女センター

文・写真/越信行


三陸鉄道
鉄印の記帳は宮古駅窓口にて。7時30分~18時30分、鉄印の記帳料/300円(乗車券と鉄印帳の提示が必要。鉄印のみの販売はしていません)
TEL:0193-62-7000(旅客営業部9時~17時30分)

(出典:「旅行読売」2024年1月号)
(Web掲載:2023年12月20日)


Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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