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【鉄印帳の旅】智頭急行

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【鉄印帳の旅】智頭急行

智頭(ちず)急行は、鳥取〜姫路間を結ぶ鉄道として計画された路線の一部で、1994年に智頭急行として開業を果たした。130キロ/時の高規格の線路で建設され、JR線から直通運転される特急は上郡〜智頭間、56.1キロを約40分で駆け抜ける。

鉄印帳に参画する40社で唯一、三つの県を跨いでいる智頭急行。そこで今回は、上郡駅からそれぞれの県にある「因幡(いなば)街道三宿場町」を普通列車で巡ることにした。

佐用川の石垣に並ぶ白壁の川屋敷や川座敷といった景観が魅力

播磨武将・赤松円心(えんしん)が築いた白旗城跡のある兵庫県上郡町。そこから佐用(さよう)町に入り、車窓に大イチョウが見えてほどなく着く平福(ひらふく)駅で下車。平福本陣跡など平福宿の街を散策し、次は宮本武蔵駅に向かう。

ここから列車は岡山県美作(みまさか)市へ。大原宿の南にある宮本武蔵ゆかりの地と、隣の大原駅近くの古町町並み保存地区(大原宿)を巡り、再び列車に乗りさらに北を目指す。

あわくら温泉で知られる岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)を過ぎると、3県目の鳥取県智頭町へと突入。“恋がかなう駅”としてピンクに装飾された恋山形駅を過ぎてまもなくして智頭駅に到着。

智頭急行の鉄印
智頭急行の鉄印

鉄印は、通ってきた沿線5市町村の花や木をイメージした五つの紋様が並ぶオリジナル版、2023年限定の白兎年乗車記念版のほか、10月から新デザイン版が加わる予定。「沿線をゆっくり巡りながら、鉄印がもらえる3駅それぞれで、違ったデザインのものを集めてみてほしい」と同社営業課の平尾幸子さんは話す。

智頭宿の一角にある石谷(いしたに)家住宅を見学した後、古民家を改装した楽之(たのし)で智頭町産鹿肉とおからの煮込みハンバーグ(1200円)を味わって駅へと戻った。

智頭急行が今と昔の町を結ぶタイムマシンのように思えた旅だった。

文・写真/越信行


智頭急行

鉄印の記帳は智頭駅、大原駅、上郡駅窓口にて。智頭駅9時~17時10分(11時~11時50分、13時40分~14時は窓口閉鎖)、大原駅8時35分~17時10分(9時40分~10時、12時10分~13時は窓口閉鎖)、上郡駅8時35分~17時10分(9時50分~10時10分、11時50分~12時40分は窓口閉鎖)
鉄印帳/2200円、鉄印の記帳料/300円~(乗車券の提示が必要)
TEL:0858-75-2595(平日9時~17時)

(出典:「旅行読売」2023年11月号)
(Web掲載:2023年10月22日)

☛移りゆく車窓の景色と心地よい列車のゆれ、鉄道の旅はこちら


Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

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