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【この秋行きたいアートシーン】越後妻有 大地の芸術祭 2022 ~現代アートと里山の魅力~(1)

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県
> 十日町市・津南町
【この秋行きたいアートシーン】越後妻有 大地の芸術祭 2022 ~現代アートと里山の魅力~(1)

中里エリアにある新作のjoylabo「プールの底に」。鍵盤を押すとピアノの音とフィールドレコーディングをした音が調和し、独特の音色を奏でる

 

アート作品を目指して里山をドライブ

 コロナ禍のため1年延期になった第8回「大地の芸術祭」。これまで夏休み中心だった会期を、今回は春から秋にかけ長期開催している。舞台となる越後妻有地域の広さは約760平方㌔。東京23区がすっぽりと収まるエリアに、既存と新作を含め300以上もの作品が点在する。

越後妻有 大地の芸術祭 2022
11月13日まで(※火・水曜休) 
10時~17時(10・11月は~16時)

2000年から開催される現代アートの祭典。日本各地で開催されている地域芸術祭のパイオニアとしても名高い。開催地域は十日町市と津南町からなる越後妻有地域(十日町、川西、中里、松代〈まつだい〉、松之山、津南の6エリア)。鑑賞には個別鑑賞券(300円〜)またはパスポート(一般4500円)が必要。パスポートは開催日に公開している作品を各1回ずつ鑑賞できる(一部、割引の作品や3回入館できる施設あり)。

越後妻有里山現代美術館MonETで鑑賞できる、イリヤ&エミリア・カバコフの「16本のロープ」
同じく越後妻有里山現代美術館MonETに展示されている、小さな時計をムクドリの群れに見立てた、現代アートチーム・目の「movements」

 旅の起点はJR越後湯沢駅。レンタカーで十日町、松代、中里エリアにある人気&新作を含め8か所を1泊2日で巡った。
 最初に訪ねたのは越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)。芸術祭の拠点施設の一つで、建物は原広司氏の設計。昨年、常設作品を半分近く入れ替えリニューアルした。
 次に向かった「うぶすなの家」は、「やきものミュージアム&レストラン」として古民家を再生。ノスタルジックな雰囲気とは一転、鉄絵の具で絵付けしたという青織部(あおおりべ)のポップなかまどが目を引く。
 地元のお母さんたちが腕を振るうランチも人気。名物の妻有ポークを使った煮豚は、塩麴こうじに漬けてから蒸し、だし汁でじっくりと煮た一品。手間を惜しまない“母の味”は体にも心にも優しい。

うぶすなの家の「妻有ポークの煮豚」。陶芸家の器で提供される
築98年のうぶすなの家。茅葺(かやぶ)き屋根が自然に溶け込む
内海昭子「たくさんの失われた窓のために」。窓にかかるカーテンが心地よさそうに風にそよぐ

 食後に訪れた「たくさんの失われた窓のために」は、窓から見える風景を通して、妻有の自然をもう一度発見するというコンセプトで作られている。展望台から作品を見ると、窓枠が額縁のように景色を切り取り、風景に力強さが生まれたように感じられた。
 この日最後に向かったのは廃校のプールを利用した新作「プールの底に」。実際にピアノを弾くことができるユニークな作品だ。

【この秋行きたいアートシーン】越後妻有 大地の芸術祭 2022 ~現代アートと里山の魅力~(2)へ続く

(出典:「旅行読売」2022年10月号)

(WEB掲載:2022年9月17日)


Writer

木村理恵子 さん

旅と料理がメインの編集プロダクションに在籍した後、フリーに。お酒とスイーツ、ひかりもの(魚ではない)が好きで、最近は出身地の茨城愛にも目覚める。ホットヨガに絶賛ハマり中。

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