【47都道府県自慢の秋絶景】東海・信越・北陸編
火山の溶岩によってできた窪地に水がたまってできたといわれる茶屋池
鍋倉高原(長野県飯山市)
奥信濃に広がるブナの原生林が色付く
長野と新潟の県境にある関田峠の南、鍋倉(なべくら)高原茶屋池周辺には、ブナの原生林が残る。池畔を周遊する遊歩道が整備され、ブナやカエデ類の葉が色付く。オレンジ色や赤、黄のグラデーションを水面に映す光景が美しい。県道を隔ててブナ林の中を巡るコースもあり、見上げれば黄金色のブナ林がどこまでも続く景色にも魅了される。
●ベストシーズン 10月中旬〜下旬
飯山線戸狩野沢温泉駅からタクシー30分/上信越道豊田飯山ICから30キロ
信越自然郷飯山駅観光案内所 TEL:0269-62-7000
苗名滝(新潟県妙高市)
ダイナミックな名瀑と懸崖を彩る紅葉
長野との県境を流れる関川に掛かる落差55メートルの瀑布。駐車場もある路線バスの終点から遊歩道を15分ほど歩いた先にあるつり橋からの眺めが圧巻だ。柱状節理の玄武岩壁を、地響きがするほどの轟音とともに流れ落ちている。鮮やかな朱、黄、褐色などに色づいたカエデやクヌギ、コナラなどが懸崖(けんがい)を覆い、その迫力と美しさに息を呑む。
●ベストシーズン 10月中旬〜下旬
しなの鉄道北しなの線妙高高原駅から杉野沢上行きバス20分のビジターセンターで妙高山麓線に乗り換え10分、苗名滝下車(または妙高高原駅からタクシー20分)/上信越道妙高高原ICから7キロ
妙高高原観光案内所 TEL:0255-86-3911
方広寺(静岡県浜松市)
知る人ぞ知る紅葉の名所の古刹
浜名湖の北約5キロ、1371年開山の臨済宗方広寺(ほうこうじ)派の大本山。寺域は鬱蒼(うっそう)とした森に囲まれ、総門から境内に点在する五百羅漢や半僧杉などを見ながら本堂へ向かうと、赤い欄干の亀背橋(きはいきょう)の西側にモミジやイチョウなどの赤や黄色の葉と杉の緑が美しいコントラストを見せる。11月26・27日、12月3・4日はライトアップを実施する。
●ベストシーズン 11月下旬〜12月上旬
9時〜16時(ライトアップ時は〜20時)/無休 /500円
東海道新幹線浜松駅からバス1時間15分、奥山下車徒歩5分/新東名高速浜松いなさICから6キロ
方広寺 TEL:053-543-0003
伊自良大実連柿(岐阜県山県市)
軒先の橙色ののれんは里山の風物詩
岐阜市の北、山県市伊自良(いじら)地域特産の「伊自良大実(おおみ) 」という渋柿を1連30個に編み上げ(連柿)、これを多い農家では500連ほど作り、軒先につり下げる。オレンジ系の暖簾(のれん)のような装いは、この地域独特の風物詩だ。11月中旬からつるし始め、1〜2週間軒先に干したあと屋内に移す。合わせて1か月乾燥させると、あめ色に変色して甘味が凝縮するという。
●ベストシーズン 11月中旬
東海道線岐阜駅からバス40分、山県バスターミナルでハーバス伊自良大桑線に乗り換え50分、平井公民館下車徒歩3分~5分/東海環状道山県ICから10キロ
山県市まちづくり・企業支援課 TEL:0581-22-6831
小原の四季桜(愛知県豊田市)
淡い桜色と紅葉に囲まれる里の秋
春と秋、1年に2度花を咲かせる四季桜は、豊田市小原(おばら)地区全体で約1万本植えられている。秋の深まりとともに、白や淡紅色の桜花と橙(だいだい)から鮮やかな紅へと色づくイロハモミジが里山を覆う。小原ふれあい公園をメイン会場に11月12日〜30日、四季桜まつりを開催。四季桜の数が最も多い川見(せんみ)四季桜の里との間をシャトルバスも運行する。
●ベストシーズン 11月中旬〜11月下旬
名鉄豊田線豊田市駅からバス1時間10分、小原大草下車徒歩5分(小原ふれあい公園)/東海環状道豊田藤岡ICから15㌔または中央道瑞浪ICから23キロ
豊田市小原観光協会 TEL:0565-65-3808
赤目四十八滝(三重県名張市)
渓谷が織りなす23瀑を巡り深山幽谷に遊ぶ
良との県境を流れる滝川がつくり出す赤目渓谷には、趣の異なる滝が連なる。日本サンショウウオセンターを起点に渓流沿いに3キロ強の遊歩道があり、行者滝から岩窟滝まで23瀑を見ながら散策できる。イロハモミジやコハウチワカエデなどの紅葉が白い瀑布に映える。10月22日~2023年1月31日には、不動滝までの遊歩道でライトアップも実施する。
●ベストシーズン 11月初旬〜下旬
8時30分〜17時(12月〜3月は9時〜16時30分。ライトアップは17時〜19時30分、別料金) /500円/近鉄大阪線赤目口駅からバス10分、赤目滝下車すぐ/名阪国道上野ICから24キロ、または同小倉ICから19キロ
赤目四十八滝渓谷保勝会 TEL:0595-41-1180
五箇山の合掌造り集落(富山県南砺市)
懐かしい日本の原風景を見せる世界遺産
懐かしい日本の原風景を見せる世界遺産
五箇山(ごかやま)合掌(がっしょう)造り集落は、山あいに茅葺(かやぶ)き屋根の合掌造り家屋20棟が立つ相倉(あいのく ら)集落と、11キロ離れた川沿いに9棟が立つ菅沼(すがぬま)集落からなる。相倉駐車場から徒歩約5分の展望台からは、ブナやトチ、ナラなど黄色や橙(だいだい)色が多く見られる山を背に、のどかな集落が見渡せる。11月下旬、条件がそろえば青空と紅葉、冠雪の「三段染め」も楽しめる。
●ベストシーズン 10月中旬〜11月中旬
城端線城端駅から世界遺産バス23分、相倉口下車(または同バス38分、菅沼下車すぐ)/東海北陸道五箇山ICから1.5キロで菅沼集落、12キロで相倉集落
五箇山総合案内所 TEL:0763-66-2468
白米千枚田 あぜのきらめき(石川県輪島市)
棚田に輝く幻想的なイルミネーション
日本海に面した傾斜地に1004枚の水田が広がる白米(しろよね)千枚田。10月22日〜2023年3月12日、「あぜのきらめき」と題してLED電灯約2万5000個を水田の畦(あぜ)に設置され、日没から4時間点灯する。15分ごとにピンク、グリーン、ゴールド、ブルーなど4色に変わるイルミネーションは、薄暮の日本海を背景に幻想的だ。道の駅千枚田の展望台から見下ろせる。
●ベストシーズン 10月22日〜2023年3月12日
北陸新幹線金沢駅から特急バス2時間30分の輪島駅前で町野線バスに乗り換え20分、白米千枚田下車すぐ/能越道のと里山空港ICから25キロ
輪島市観光課 TEL:0768-23-1146
三国サンセットビーチ(福井県坂井市)
日本海の水平線に沈む雄大な夕日
日本海の水平線に沈む雄大な夕日
「日本の夕陽百選」に選ばれたビューポイント。波の音をBGMに、澄んだ遠浅の海と秋空を、青から橙(だいだい)、赤へと刻々と色を変えながら水平線に沈む夕日は、壮大かつロマンチック。ビーチ南端に延びる明治初期築の三国港突堤(国の重要文化財)も、景観にアクセントを添える。車で5分の国の名勝・天然記念物、東尋坊の夕日も格別だ。
●ベストシーズン 9月中旬~10月下旬
えちぜん鉄道三国芦原線三国港駅から徒歩5分/北陸道金津ICから18㌔
東尋坊観光案内所 TEL:0776-82-5515
(出典:旅行読売2022年11月号)
(Web掲載:2022年11月30日)