光と音楽で彩られた高知城が冬の夜空に浮かぶ
- 場所
-
- 国内
- > 四国
- > 高知県
高知城で音楽を合わせてプロジェクションマッピングをするイベントが開催されている。プロジェクションマッピングやライティングのモチーフとなっているのは、高知県出身の植物学者・牧野富太郎や、富太郎と同時代に生きた画家のゴッホやモネ、ルノワールが愛した植物。単なるイルミネーションとは一線を画した試みを紹介する。
城の追手門をくぐり、板垣退助像が立つ石段を上っていくと、石段が花手水(はなちょうず)に覆われている。美しい仁淀(によど)ブルーの川の水が花々とともに流れていくという演出だ。
二ノ丸へ続く石段の左にある石垣には、ゴッホが描いた花々の絵画が投影されている。振り返ると、正面に天守閣が見えた。
二ノ丸にはモネの「水の池」が再現されている。睡蓮の浮かぶ水面に足を踏み入れると、波紋が広がった。池の奥には「花の庭」が続いている。光が薄いスクリーンに投影されており、松林を借景にした絵画のようだ。
二ノ丸から本丸がつながっており、イベント期間中は天守閣を特別開館している(別途入館料が必要)。
二ノ丸から三ノ丸へ向かう途中にあるイチョウ並木には、ルノワールの描く花が投影されている。落葉して積み重なったイチョウの葉に立体的に映るだけでなく、上空から降り注ぐミストに映る花は風に流されて常に様子を変えていく。
面白くて、往復して何度も見てしまった。
三ノ丸に入ると、天守閣を眺めるビューポイントがある。ここで6分間のショーが始まる。
城が色とりどりの花々の絵画に包まれていき、光の変化に合わせてオリジナルの音楽が流れてくる。周囲に大型スピーカーが設置されているため、音が立体的に聞こえて気分が盛り上がった。
幻想的なショーの一部を動画でご覧ください。
体験型のイベントもある。スマートフォンに専用のアプリをダウンロードし、城内に8か所あるスポットで植物を採集すると、三ノ丸にあるディスプレーに自分だけの図鑑を作ることができる。
生涯で1500以上の植物を命名した牧野富太郎の世界を冬の高知城で感じてみてはいかがだろう。市内の五台山には高知県立牧野植物園があり、富太郎ゆかりの植物を栽培している。
牧野富太郎は2023年4月から始まるNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主役でもある。
高知城「ひかりの花図鑑」
2022年12月2日~2023年1月29日
18時~21時30分(最終入場21時)/1000円
<問い合わせ>TEL:088-824-4894