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【家康の城へ】小牧・長久手の戦いで拠点となった小牧山城

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【家康の城へ】小牧・長久手の戦いで拠点となった小牧山城

東西600㍍、南北400㍍ほどの小牧山。山頂に小牧市歴史館、山麓に小牧山城史跡情報館がある

 

家康が秀吉と戦った小牧・長久手の戦い

愛知県北西部に位置する小牧市の中心部に、標高86 ㍍の小牧山はある。広大な濃尾(のうび) 平野の中ほどにぽつりと立つ独立峰に城を築いたのは織田信長である。美濃(みの)攻めの拠点として1563(永禄6)年に築城され、わずか4年しか使用されなかったものの、山頂の本丸を三重の石垣が取り巻き、中腹に多数の曲輪(くるわ) が、山麓に城下町が形成されていたという。

家康はこの城を大いに活用する。1584(天正12)年、羽柴秀吉と織田信雄(のぶかつ)・徳川家康連合軍の間で行われた小牧・長久手(ながくて)の戦いではいち早く小牧山に入り、中腹と山麓に堀、土塁、虎口(こぐち)を築造するなど大規模改修を加え、陣城としたのだ。江戸時代には家康ゆかりの地として一般の入山が禁止されたため、現在も保存状態のいい遺構が観察できる。

小牧市歴史館の4階展望室は標高が約100㍍
家康によって改修された土塁の断面が観察できる(写真/小牧市教育委員会)

山城散策は山麓の小牧山城史跡情報館(れきしるこまき)から始めよう。映像や模型を多用した展示で、まずは小牧山の概要を把握。ここから3本の散策コースが延びるので、好みの道で遺構を見ながら山頂へ。山頂に立つ3層4階の小牧市歴史館では、4階の展望室から濃尾平野が一望できる(2023年3月31日まで休館中)。

文/内山沙希子


小牧山城

御城印:あり(300円)

入城:見学自由。小牧山城史跡情報館は9時~16時30分/第3木曜休、年末年始休/100円

交通:名鉄小牧線小牧駅からバス5分~10分、小牧市役所前または小牧山前下車徒歩5分

℡:0568-76-1623(小牧市教育委員会小牧山課)

※掲載時のデータです。

【家康メモ】

信長の死後、台頭する羽柴秀吉と信長次男・織田信雄が対立。信雄とともに小牧・長久手の戦いに臨んだ徳川家康は、小牧山城に陣を置いた。この戦いは、頼山陽(らいさんよう)の『日本外史』で「家康公の天下を取る、大坂に在らずして関ヶ原にあり、関ヶ原に在らずして小牧にあり」と評されることになる。

 

(出典:「旅行読売」2023年2月号)

(Web掲載:2023年2月18日)

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Writer

内山沙希子 さん

京都生まれ。本や雑誌を作る仕事を求め、大学在学中に上京。その後、美術館やレストラン、温泉宿、花名所、紅葉名所等のガイドブックを中心に、雑誌や書籍の企画・編集に携わる。2017年頃から月刊「旅行読売」で原稿の執筆を開始。「旅行読売」での取材を通して、鉄道旅に目覚めるかどうかは未知数。

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