【見つけた!ご当地鍋】「ものわすれの湯 船原館」のわさび鍋
爽やかな香りとまろやかな味わいが自慢のわさび鍋
家康を魅了したワサビで、おいしくて体にいい鍋
徳川家康も大のお気に入りだったというワサビ。日本一の産地・静岡県の生産量の6割を占める伊豆市の名物がわさび鍋だ。「10年以上前、県のワサビPRの一環で、農林担当の職員さんにワサビで鍋が作れないかと相談され、作り始めました」とは伊豆天城の温泉旅館、船原館の鈴木基文さん。
カツオのダシで鴨肉、伊豆の原木シイタケ、ゴボウを煮て、修善寺の生湯葉とミツバを入れ、大根おろしでみぞれ鍋風に仕立てる。そこへ伊豆の生ワサビをたっぷりすりおろす。
「愛情を込めておろすと、不思議とまろやかな味になるんですよ」と教わり、丁寧にすりおろしたワサビは、大根おろしと混ざり合ってマイルドかつ爽やかな香り。辛みはさほど感じない。鴨肉のコクや生湯葉のクリーミーな味わいとぴったりだ。
「PRのための試作で終わらせず、宿で出し続けたことで、わさび鍋目当てのお客さまも増え、地元にも根付いていきました」。今では伊豆市内の温泉宿や食事処などで味わえる。
ワサビに含まれるワサビスルフィニル®という成分は、抗酸化作用や血流改善など体にいいことづくめなのだそう。この冬は、わさび鍋と温泉でデトックス旅はいかが?
文/中 文子
わさび鍋が出るプランは1泊2食付き平日1万6500円、休前日1万8700円(※掲載時の料金です)
伊豆箱根鉄道修善寺駅からバス20分、船原温泉下車すぐ
TEL:0558-87-0711
静岡県伊豆市上船原518-1
(出典:「旅行読売」2023年2月号)
(WEB掲載:2023年2月14日)