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「乙巳の変」の舞台へ――奈良県桜井市・明日香村

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「乙巳の変」の舞台へ――奈良県桜井市・明日香村

談山神社の祭典や行事では、談山雅楽会による雅楽・舞楽が行なわれる。

1378年前、飛鳥板蓋宮で事件は起きた。 権力の絶頂にあった蘇我氏一族を、 中大兄皇子と中臣鎌足が滅ぼした。 歩いて知る「乙巳の変」とは――。
蘇我入鹿の首塚
飛鳥寺の西側にある蘇我入鹿の首塚の場所には、斬られた入鹿の首が飛んできたとも、供養するため埋めたとも伝わる。五輪塔は鎌倉時代のもの。

西暦645年、大和国飛鳥で起きた「乙巳の変(いっしのへん)」は、皇極(こうぎょく)天皇の子・中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)(=藤原鎌足)が蘇我入鹿(そがのいるか)を倒し、その一族を滅ぼした歴史的大事件。その後の政治体制の変革「大化の改新」のきっかけとなった。奈良県桜井市と明日香村には乙巳の変ゆかりの地が点在している。

飛鳥寺は日本で最初の本格的仏教寺院。本尊の飛鳥大仏は日本最古の大仏。かつては塔や回廊がある大伽藍だった。西側にあったと考えられている「槻木広場(つきのきのひろば)」での蹴鞠会(けまりえ)で、皇子と鎌足が出会ったと伝わる。現在、飛鳥寺の西側には鎌倉時代に作られた蘇我入鹿首塚があり、蘇我氏の大邸宅があった甘樫丘(あまかしのおか)を望む。

飛鳥寺
飛鳥寺は蘇我馬子の発願で596年に完成した日本初の仏教寺院。
談山神社十三重塔
談山神社は 678 年、定慧(じょうえ)和尚が父・鎌足の遺骨を改葬して十三重塔と講堂を建てた妙楽寺に始まる。

「蘇我氏の横暴、許すまじ」の志で一致し仲を深めた皇子と鎌足。藤の花が咲くころ、入鹿暗殺の密談をしたと伝わるのが多武峰(とうのみね)だ。現在、藤原鎌足を祀る談山神社(たんざんじんじゃ)がある。同社には「大化の改新 談合の地」の伝承があり、皇子と鎌足が出会った蹴鞠会にちなみ、毎年4月と11月に「けまり祭」が行われている。

 

談山神社の蹴鞠
談山神社では「けまり体験」なども実施。

事件の舞台は飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)、現在の飛鳥宮跡だ。西暦645年6月12日。高句麗、百済、新羅からの使者が天皇への貢物を捧げる儀式で、中大兄皇子が入鹿に斬りつけ、ふたりの刺客がとどめをさした。飛鳥宮跡では三つの時期の宮殿跡が重なって発掘されている。

天皇中心の政治体制を確立し、日本で最初の元号「大化」が始まった地、明日香と桜井。歴史の舞台を歩くと、飛鳥人の足音や声が聞こえてくるようだ。

飛鳥宮跡
飛鳥宮跡は蘇我入鹿暗殺の舞台。上 が飛鳥浄御原宮と後飛鳥岡本宮、真ん中が飛鳥板蓋宮、下が飛鳥岡本宮と、三つの時期の宮殿跡が重なっており、同じ場所から発見されている。
奈良県立万葉文化館
奈良県立万葉文化館は『万葉集』を中心とした古代文化の総合文化拠点 として2001年開館。展示機能の「万葉ミュージアム」と情報の収集提供を行う「万葉図書・情報室」からなる。
あすか劇団「時空」
あすか劇団「時空」は明日香村民が立ち上げ、台本、衣装、大道具、小道具まで団員で作り上げる劇団。「大化改新」など、飛鳥時代の人物にスポットを当てた創作劇を上演する。
めんどや
有機野菜や井戸水を使い、 化学調味料を使わない手作り料理を提供する「めんどや」。明日香の食材を盛り込んだ「ひょうたん弁当」(1980円~)や、牛乳と鶏肉のダシで味わう郷土料理の「飛鳥鍋」(3780円~要予約)が人気。
スカイランタン
1月14日に明日香村・桜井市で行われたモニターツアーでは、参加者が創作した和歌などを、スカイランタンに付けて談山神社上空に上げるイベントが行われた。

[アクセス]
鉄道/近鉄橿原神宮前駅または飛鳥駅から明日香周遊バス
車/橿原バイパス橿原北IC から約10㌔


[ 問い合わせ]
読売旅行観光振興部/TEL:03-6757-9351

※掲載の観光素材には、観光庁の「地域の稼げる看板商品」創出事業の一環として開発中のものが含まれています。詳細については、読売旅行観光振興部までお問い合わせください。

(出典:「旅行読売」2023年3月号)

(WEB掲載 2023年2月1日)

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▼談山雅楽会による雅楽「蘭陵王」【談山神社】を動画でご紹介します。

Writer

旅行読売出版社 メディアプロモーション部 さん

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