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【旅の朝ごはん】にいがた朝ごはんプロジェクト(2)-HATAGO井仙

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 新潟県
> 湯沢町
【旅の朝ごはん】にいがた朝ごはんプロジェクト(2)-HATAGO井仙

HATAGO井仙の朝食。中央下部はニンジン、シイタケ、車麩、サトイモ、鶏肉などを煮た「のっぺ」。ほかに焼き魚、野沢菜やナメコなどの「魚沼きりざい」、女将手作りのたくあん、キノコ山椒などが並ぶ

 

最高の米を最上の管理で提供

旅の朝ごはん】にいがた朝ごはんプロジェクト(1)から続く

松之山温泉「ひなの宿ちとせ」の柳社長の良き理解者が、越後湯沢温泉「HATAGO井仙」の井口智裕社長だ。

「お米をいかにしておいしく食べてもらうかが、プロジェクトの核心だと考えています」と話す井口社長のこだわりは、米の管理。井仙で使っている「塩沢地区限定一等米」は、魚沼産コシヒカリの中でも最上級と言われるが、「その中に少しでも悪い米が混ざってしまうと全体の味が落ちてしまう」と井口社長。最高の状態で提供するには、米の粒をそろえ、栄養が入っていない米を取り除く選別が重要という。井仙が契約している米農家は、日本でも最高級の選別機を導入しているという。

最高品質の米を丁寧に管理した魚沼産コシヒカリは粒がそろっている。売店で販売もしている

米の甘みと「のっぺ」の滋味が絶妙に食欲をそそる

お櫃(ひつ)から立ち上る香りや米の輝きに心躍る思いをした経験はあるが、粒ぞろいまでは気にしていなかった。目から鱗が落ちる思いで口に運んだコシヒカリは一粒一粒が舌の上で転がるようなふっくらとした感触で、噛むと甘みがにじみ出るようだった。越後湯沢地区の「共通の朝食」は、貝柱と煮干しでだしを取った「のっぺ」。米の甘みと「のっぺ」の滋味が口の中で見事に混ざり合った。

文/渡辺貴由 写真/齋藤雄輝

【旅の朝ごはん】にいがた朝ごはんプロジェクト(3)へ続く

「のっぺ」は根菜が中心の郷土料理。季節の旬の野菜を使い、地域や家庭ごとに食材や味付けが異なる
アルカリ性単純温泉をかけ流している大浴場
客室のタイプはさまざま。 2022年12月に半露天風呂付きの部屋を3室設けた

にいがた朝ごはんプロジェクト
「日本一の米どころ新潟のおいしいコシヒカリを、その土地の水で炊き、その土地で採れた食材で作ったおかずとともに食すこと」をモットーに、13地域・115軒の宿が参加して2011年秋に始まった。プロジェクトの定義は三つ。①県内産コシヒカリを使用、②県内産食材を使用した各地域内共通の朝食を提供、③県内産の総菜食品「にいがたごはんの素」の開発・販売。


HATAGO井仙
℡025-784-3361
1泊2食1万8300円~(ひとり泊は同2万3250円~)
客室:全16室
食事会場:朝食・夕食=レストラン
アクセス: 上越新幹線越後湯沢駅西口からすぐ/関越道湯沢ICから2キロ
住所:新潟県湯沢町湯沢2455

(出典:「旅行読売」2023年3月号)
(Web掲載:2023年10月2日)

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Writer

渡辺貴由 さん

栃木県栃木市生まれ。旅行情報誌制作に30年近く携わり、全国各地を取材。現在、月刊「旅行読売」編集部副編集長。プライベートではスケジュールに従った「旅行」より、行き当たりばったりの「旅」が好き。温泉が好きだが、硫黄泉が苦手なのが玉に瑕(きず)。自宅では愛犬チワワに癒やされる日々。

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