たびよみ

旅の魅力を発信する
メディアサイト
menu

駅舎のある風景 深戸駅【長良川鉄道】

場所
  • 国内
  • > 北陸・中部・信越
  • > 岐阜県
> 郡上市
駅舎のある風景 深戸駅【長良川鉄道】

映画ロケにも使われた趣のある木造駅舎

長良川鉄道は、福井県のJR越美北(えつみほく)線とともに越美線として計画された路線で、現在は、岐阜県側で開通していた美濃太田(みのおおた)—北濃(ほくのう)駅間が越美南(えつみなん)線として運行している。

美濃白鳥(みのしろとり)駅から美濃市駅方面に向かうと、列車は左右車窓に見え隠れする長良川に沿って進む。途中、郡上八幡(ぐじょうはちまん)駅の近くには、郡上八幡城の城下町として開かれた町割と幾筋もの水路が残り、袖壁(そでかべ)で仕切られた間口の狭い古い建物が軒を連ねている。

再び列車で先に進むと、映画などの撮影地にもなった趣のある木造駅舎の深戸(ふかど)駅に到着した。木製の改札口を抜けた先に長良川が流れ、川沿いに桜並木の緑が続く。

稲穂が顔を出したばかりの田んぼを眺めながら、本数の少ない列車を待つ。辺りはいつしか、そよ風に乗って漂ってきた稲の甘い香りに包まれていた。

文・写真/越 信行


長良川鉄道は、旧国鉄越美南線として1923年に一部開業。深戸駅は1928年開業。美濃太田駅から1時間10分

※連載をまとめた書籍「駅舎のある風景」(定価1430円)は全国の書店、WEB書店で好評発売中です。

 

(出典:「旅行読売」2021年9月号)

(Web掲載:2023年3月15日)


Writer

越信行 さん

神奈川県生まれ。全国の駅を撮り歩く駅旅写真家。月刊旅行読売で「駅舎のある風景」を連載中。著書に「生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選」(山と溪谷社)など

Related stories

関連記事

Related tours

この記事を見た人はこんなツアーを見ています