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信長の天下統一への拠点 金華山頂から見下ろす世界 岐阜城

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信長の天下統一への拠点 金華山頂から見下ろす世界 岐阜城

岐阜公園入り口に立つ若き日の信長像から金華山頂の天守を見上げる


かつては稲葉山城といい、16世紀半ばに斎藤道三・義龍父子が居城とした。「岐阜」の名は1567年に美濃国を攻略し、天下統一の拠点とした織田信長が名付けた。標高329㍍の金華山山頂に立つ天守を麓から眺めると、櫓(やぐら)のように小さく見える。

ロープウェイに乗れば4分で山頂近くに着くが、「七曲り」「百曲り」「馬の背」といった登山道が何本も延びている。「七曲り登山道」は大手道で、信長も通ったという。山頂までの道のりの厳しさを体感し、山城の攻防に思いを巡らせるには登山がおすすめだ。

山麓の岐阜公園内に岐阜市歴史博物館があり、2階は期間限定で「麒麟(きりん)がくる 岐阜 大河ドラマ館」になっている。大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀が仕えた道三や信長との関係を映像やパネルで紹介し、ドラマで使われた衣装や小道具を展示している。出演者のインタビューやドラマのメイキング映像などを放映するシアターもある。

信長が徳川家康を接待した饗応膳(きょうおうぜん)が再現されていて、その豪華さに目を見張った。一説によると、接待役は光秀で、この料理が本能寺の変の一因になったとされるのは皮肉だ。「光秀、道三、信長という美濃三傑の接点があったのは岐阜市だけです」と岐阜市大河ドラマ推進課の松田耕治さんは力を込めた。

山上に残る城の痕跡

いよいよ山頂の天守に向かう。ロープウェイの山頂駅に着いてもその姿は見えず、金華山の石質であるチャートがむき出しになった壁面の先に石段と坂道が続いている。途中、馬場跡や堀切があり、山上にも防衛機能があったことが伺えた。

 

チャートがむき出しになった一ノ門付近
チャートがむき出しになった一ノ門付近

天守は二の丸門の先にあり、3層4階で高さ17.7㍍。麓から見た先入観があったためか、とても大きく見える。建物は1956年の再建だが、東斜面に信長時代の石垣が残っている。2019年12月には天守台の石垣が発見され、信長が居城した時に天守があった可能性が高まった。

岐阜城天守
信長の時代の石垣(手前)が残る天守

天守の内部は2019年にリニューアルした。信長の城下町づくりや城づくりをパネルで紹介し、信長坐像や甲冑の複製を展示している。最上階の天井は麒麟と龍が描かれた格(ごう)天井になった。

外に出ると、360度城下を見渡せる。北に長良川が流れ、東には恵那山、北東に中央アルプスの高峰を遠望。間違いなく信長も見たであろう絶景だ。さえぎるものがないため、風が吹き抜ける。南に目を転じると、名古屋の高層ビルが思いのほか近くに見える。

天守最上階
天守最上階から長良川が流れる町並みを見下ろす

ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスは著書「日本史」において、信長の居館を日本のどの宮殿や館よりも豪華であると記した。金華山西麓の槻谷(けやきだに)を流れる谷川に沿って建物や庭園が造られた。

今はロープウェイ乗り場の隣にあり、下山後に立ち寄った。発掘調査で滝や水路、池が巧みに配された大庭園だったことが分かっており、風流人だったかもしれない一面が垣間見えた。

川湊の賑わいを感じる川原町

川原町
格子戸の木造家屋が軒を連ねる川原町

岐阜公園から歩いて10分、長良橋の南から南西に続くのが川原町。信長の時代から長良川の水運を利用して商人が行き交った川湊で、通りには材木問屋や和紙問屋だった格子戸や黒塀の日本家屋が軒を連ねている。信長はこうした城下町を含めて土塁や堀で囲み、外敵を防ぐ惣構(そうがまえ)とした。

建物は間口が狭く奥行きの長い独特の造り。老舗旅館や和菓子店のほか、改装してカフェとして営業している店もある。道幅は広めで、電柱や電線がないので、レトロながらすっきりとした町並みで和服が似合いそう。カフェでコーヒーを飲みながら、窓の外に小さく見える天守をもう一度眺めた。


岐阜城御城印
岐阜城の御城印。金の御城印は毎月最終金曜のみの特別版

岐阜城

築城:二階堂行政/1201年

種類:山城

天守:あり(再建)

遺構:曲輪、石垣、土塁、堀切

入城:9時30分~16時30分(季節により変動。夜間開館あり)/200円

御城印:300円(金華山ロープウェイ山麓駅売店で販売)

 

東海道線岐阜駅からバス15分、岐阜公園歴史博物館前下車、徒歩5分でロープウェー乗り場

岐阜市金華山天守閣18 TEL:058-263-4853


麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館
9時~17時/無休(会期は2月14日まで)/600円/TEL:058-201-3838

岐阜市歴史博物館
9時~17時/月曜休(月曜が祝日の場合、翌日休)、祝日の翌日休/310円/TEL:058-265-0010 

金華山ロープウェイ
9時~17時(季節により異なる)/無休/往復1100円/TEL:058-262-6784


(出典 2020年臨時増刊「100名城さんぽ」)

(ウェブ掲載 2021年1月26日)



Writer

たびよみ編集部 さん

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