駅舎のある風景 魚沼丘陵駅【北越急行】
豪雪地の魚沼盆地に静かにたたずむ
新潟県中越地方の魚沼盆地は、国内有数の豪雪地帯として知られる。毎年冬になると、雪景色にたたずむ駅と雪を舞い上げて疾走する列車を撮影するために足を運んでいる。
盆地中央部の六日町(むいかまち)駅を起点とする北越急行ほくほく線は、かつて首都圏と北陸圏を結ぶバイパス線として特急「はくたか」も走っていたが、今は一帯の貴重な生活路線として運行を続けている。
夕暮れ時、六日町駅を出て最初の魚沼丘陵(うおぬまきゅうりょう)駅へ。その名の通り丘陵の裾野にあり、近くの高台から見下ろすと、巻機山(まきはたやま)や八海山(はっかいさん)など名峰が連なる越後山脈を背に線路が延び、テールランプの灯りを残しながら、列車が駅へ滑り込んでいく。
魚沼と言えば、酒どころとしても知られる。お気に入りの1本を手土産に、凜(りん)とした冬空の地を後にした。
文・写真/越 信行
北越急行ほくほく線、並びに魚沼丘陵駅は1997年開業。六日町駅から普通列車で3分
(出典:「旅行読売」2022年1月号)
(Web掲載:2023年4月26日)