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【青春18きっぷでできること】絶景の五能線「リゾートしらかみ」に乗る

場所
> 能代市、弘前市など
【青春18きっぷでできること】絶景の五能線「リゾートしらかみ」に乗る

リゾートしらかみは1997年の秋田新幹線開業とともに誕生した。行合崎(ゆきあいざき)付近で(写真/ピクスタ)

 

日本海を望む絶景路線をリゾートしらかみで走り抜ける

普通列車を乗り継ぎ遠くへ向かうのも青春18きっぷの旅の醍醐味(だいごみ)だが、観光列車をコースに組み込んで変化をつけるのも楽しみの一つだろう。東北地方周遊の際に乗車したいのが、人気の絶景路線・五能線を走る「リゾートしらかみ」。指定席券530円を買えば青春18きっぷで乗れる快速列車だ。観光シーズンは1日3往復が運行し、車内に展望室やイベントスペースも備える。

列車は4両編成で2号車はボックス席

秋田駅8時19分発のリゾートしらかみ1号は奥羽線を走行し、約50分で東能代駅に到着。ここでスイッチバックして五能線に入る。秋田県の東能代(ひがしのしろ)駅と青森県の川部駅を結ぶ路線は全長147.2キロ。普通列車だと4時間半の乗車時間を1時間以上短縮しつつ、イベントやもてなしで盛り上げてくれるのがこの観光列車の魅力だ。能代駅では10分間の停車時間にホームへ。バスケットボールの街・能代らしくバスケゴールが設置されており、シュートチャレンジに成功すれば記念品がもらえる。

岩館-大間越駅間を走る「くまげら」編成の列車

世界自然遺産・白神(しらかみ)山地の麓を北上する五能線は、約80キロにわたって海岸沿いを進む。大きな車窓に日本海が広がるのは、あきた白神駅付近から。県境を通過する岩館(いわだて)―大間越(おおまごし)駅間は徐行運転となるので、青い空と大海原を写真に収めたい。深浦―広戸駅間にある行合崎(ゆきあいざき)海岸は沿線随一の景勝地。ゴツゴツした岩礁や奇岩が海景に情趣を添える。千畳敷駅周辺の千畳敷(せんじょうじき)海岸では、岩床に打ち寄せる白波が印象的だ。

津軽三味線の演奏。郷土芸能のもてなしは日時により異なる。スケジュールはホームページで確認を

鰺ケ沢(あじがさわ)駅を過ぎると、列車は海岸線を離れて内陸部を走る。車窓は次第に津軽平野のリンゴ畑や田園風景へと変わり、岩木山が望めるように。鰺ケ沢― 五所川原(ごしょがわら) 駅間の車内では津軽三味線で「津軽じょんから節」などの演奏が披露され、力強い音色が旅情をかきたてる。

内装にはブナ、秋田スギ、青森ヒバなど沿線の木材を使用している

車両は「橅(ぶな)」「青池」「くまげら」の3編成。前記の1号は橅編成でセルフレジの車内販売コーナーがあるが、商品は飲料、菓子、鉄道グッズのみ。駅弁やアルコール類は秋田駅で購入しておこう。モバイルオーダーサービス「うけとりっぷ」で事前予約すれば、沿線の人気店の弁当やスイーツ、ドリンクが駅ホームなどで受け取れるのもうれしい。

前菜6種&「比内地鶏親子丼」ハーフ&「錦牛すき焼き丼」ハーフ2600円
湖面の色合いが美しい青池。今年は白神山地の世界遺産登録30周年にあたる

沿線には白神山地の青池(十二湖駅からバス15分)など観光名所も多く、途中下車も一案。例えば温泉好きなら、ウェスパ椿山駅で1号を降り、無料送迎バスで「不老ふ死温泉」へ。海辺の露天風呂で日帰り入浴とランチを楽しみ、ウェスパ椿山駅13時17分発の3号に乗車するといい。1号は通過する千畳敷駅で、海岸散策に適した停車時間もある。

文/内山沙希子


リゾートしらかみ

■運転区間:秋田-青森

■運転期間:通年(一部運休日あり、冬季は減便)

■料金:秋田-弘前4070円+指定席券530円、秋田-青森4510円+指定席券530円

(※リゾートしらかみは青春18きっぷ利用可能)

※掲載時のデータです。

 

(出典:「旅行読売」2023年7月号)

(Web掲載:2023年6月24日)

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Writer

内山沙希子 さん

京都生まれ。本や雑誌を作る仕事を求め、大学在学中に上京。その後、美術館やレストラン、温泉宿、花名所、紅葉名所等のガイドブックを中心に、雑誌や書籍の企画・編集に携わる。2017年頃から月刊「旅行読売」で原稿の執筆を開始。「旅行読売」での取材を通して、鉄道旅に目覚めるかどうかは未知数。

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